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最高峰性能の小型マシン「Mac Studio」に新iPhone SE/iPad Air登場! 2022年春のApple Event 第20回

アップル、M1ファミリー戦略の「したたかさ」に脱帽【石川 温】

2022年03月11日 09時00分更新

文● 石川 温 編集●飯島恵里子

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ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のJohn Ternus氏

2つつながるのならーー、アップルはまだなにか隠しているのか?

 一方で、アップルのイベントを視聴して気になったのが「2つつなげられるのであれば、3つ、4つもいけるんじゃないの?」という点だ。もしかして、そんな機能をアップルはまだ隠していたりしないのか。

 その点をいろいろと取材してみたが、明確な答えは聞かれなかった。「いまは2つがつながることを喜ぶべきタイミング」であり、将来のことに関しては闇に包まれたままだ。ただ、3つ、4つとつながることは決して否定されているようではなさそうなので、まだまだM1ファミリーの進化はとどまることはなさそうだ。

 アップルは2年をかけて、MacをインテルからAppleシリコンに移行を進めている。ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のJohn Ternus氏は「私たちの移行も完了に近づきました」と語り、「残る製品はあと1つ、Mac Proのみ。しかし、それは別の日にしましょう」とMac Proの登場に含みを持たせた。

 Mac StudioにはM1 Ultraが載り、背面には4つのThunderbolt 4ポートがあるなど、幅広い接続性を誇っている。

 すでにM1 Maxを載せたMac Studioであっても、16-core Xeonを載せたMac ProよりもCPUパフォーマンスが向上している。Mac Studioを買う気満々になった人からすれば「え、Mac Proがこの先、出てくるのか。Mac Studioを買うべきか、Mac Proを待つべきか、迷ってきた」ということになるだろう。

 そのあたりも取材を進めたが、現行のMac Proは8つのPCI Express拡張スロットを備えるなど、拡張性を重視するユーザーに向けた製品として位置づけられてきた。つまり、今後、登場するとされる「Appleシリコン搭載Mac Pro」も、従来通り拡張性を重視したモデルになる可能性が極めて高そうだ。

 というわけで、自分なりの拡張性を求めるなら、Mac Proの登場を待つべきだし、いま発表されているMac Studioで自分の必要な周辺機器などはつなげることができるというのであれば、いますぐMac Studioをポチッと購入しても良さそうだ。

 

筆者紹介――石川 温

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)、『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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