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ペロブスカイト太陽電池の耐久性を向上させる新材料=産総研

2022年03月10日 06時01分更新

文● MIT Technology Review Japan

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産業技術総合研究所(産総研)ゼロエミッション国際共同研究センターの研究チームは、日本精化と共同で、ペロブスカイト太陽電池に使われる有機ホール(正の電荷)輸送材料について、ドーパント(少量添加する不純物)を使用せず、高い光電変換効率が得られる新規材料を開発した。従来のホール輸送材料にドーパントを添加しない場合と比較し、変換効率が約3割向上。耐久性を確認するために耐熱性試験を実施したところ、1000時間を経過しても初期の光電変換効率を維持することが分かった。

産業技術総合研究所(産総研)ゼロエミッション国際共同研究センターの研究チームは、日本精化と共同で、ペロブスカイト太陽電池に使われる有機ホール(正の電荷)輸送材料について、ドーパント(少量添加する不純物)を使用せず、高い光電変換効率が得られる新規材料を開発した。従来のホール輸送材料にドーパントを添加しない場合と比較し、変換効率が約3割向上。耐久性を確認するために耐熱性試験を実施したところ、1000時間を経過しても初期の光電変換効率を維持することが分かった。 研究チームは今回、従来のホール輸送材料に新しい化学構造を導入することで、ドーパントを添加せずに、高い光電変換効率が得られる新規ホール輸送材料を得ることに成功した。有機ホール輸送材料の多くは、ドーパントを加えることによって、ホールを動きやすくし、高い光電変換効率を得ている。しかし、リチウム塩などのドーパントは一般的に吸湿性があるため、ペロブスカイト層を劣化させ、耐久性を低下させるという問題が指摘されている。 技術の詳細は、2022年3月25日に日本化学会第102春季年会(2022)でオンライン発表される。ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト結晶の原料となる溶液を塗布することや印刷などにより積層させて製造できるため、低コスト化が実現できる。また従来型の太陽電池よりも薄く、フィルム化が可能であり、曲げなどの歪に強いため、発電の場所を大幅に拡大できる超軽量の次世代太陽電池として期待されている。

(中條)

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