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未経験者がAIエンジニアを目指す際に知っておいて欲しいこと

2021年12月16日 11時00分更新

文● 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事 吉政忠志 編集●MOVIEW 清水

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 こんにちは、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会(以下、当協会)の代表理事の吉政忠志です。お陰様で、Python 3 エンジニア認定試験(以下、Python試験)は年間で1万人強の受験を頂き、経済産業省ガイドラインであるITSSのISVマップにも登録され、大変な人気になっています。今学習したいプログラミング言語としても第一位です。

 その背景にあるのはAI、機械学習、ビッグデータ、インフラの自動化などの市場が拡大しており、将来にあたっても大きなニーズが見込まれるからだと思っています。ここで説明するまでもないですが、Pythonはこれらの分野で中心的に活用されている技術であり、それぞれの分野を究めようとした場合、押さえておいた方が良い技術として認知されています。

AIエンジニアへの道のりは遠いが、得られるものも大きい

 前述のようにPythonを学習する人が増えていますが、その中でAIエンジニアをプログラミング未経験から目指す人も増えてきています。AIは今後のIT市場の中でも大きな市場になることは明確であり、将来にわたってもなくなることがない技術と言っても過言ではないと思います。ITエンジニアではない方でも「AI? 人工知能ね。」という感じで、日本の成人であればかなりの認知がされている分野でないでしょうか。

 PythonはAIの中心的な技術ということもあり、未経験からAIエンジニアを目指して、まずはPythonを学びたい。そしてその学習のチェックにPython試験やデータ分析試験を受験しようとする方が多いです。事実、Python試験やデータ分析試験の受験者の半分がプログラミング歴ゼロ年の未経験の方々になっています。

 AIという技術は、世の中のあらゆる分野に適合できる、普及対象範囲=全世界・全分野という感じの普及対象が広い技術です。裏を返せば、AIの技術だけを知っていても仕事にはなりにくく、現場の知識・土地勘とAIの技術の両方を知っておくことがAIエンジニアとして成功する最低条件であると私は思っています。よって未経験からAIエンジニアを目指す人にお伝えしたいのは、PythonなどのAI関連の技術を学ぶだけではなく、現場の知識・土地勘も育てる必要があるということです。よって、未経験からAIを目指す方は、どこかのタイミングでAIという技術を使ってどの分野で開発を行ないたいのか、あらかじめ決めた方が良いと思います。

 語弊を恐れずに私見を述べると、AIは労働者・労働力を開発するような側面もあります。つまり、AIエンジニアはその分野に精通した労働者、またはある作業に対して高品質な労働力を提供できるシステムを開発するようなものなので、AIエンジニアはAI技術と現場のノウハウの両方を熟知しておく必要はあります。それゆえに未経験から始めると、道のりは遠いです。しかしながら、AIエンジニアとして1人前になった方は、よほど性格に難がない限りは仕事に困ることは将来にわたってもないように思えます。ある意味で一生食べられる手に職を付けるということなのかもしれません。そして、給与も総じて高額になるはず。AIエンジニアへの道のりは遠いが、得られるものも大きいのです。

未経験からのお勧めの第一歩

 未経験からAIエンジニアを目指して仕事を探している方は、いきなり就職の面接で「AIエンジニア志望です!」というのはハードルが高いので、自分が将来AIエンジニアとして働きたい分野のエンジニアを目指すのが良いと思います。どの分野でもAIは普及していくので、まずは目指す分野でエンジニアとして働くことを考えましょう(本連載でも機会があれば未経験でエンジニアとして働くためのノウハウというかコツをご紹介します)。そしてAI関連技術をコツコツ学び実践しながら、その分野でAIエンジニアを目指すのがおすすめです。

 そしてAIの分野で中心的に活用されているPythonに関しては、以下のようなコミュニティに顔を出してみるのもお勧めです。いずれも数千人規模の勉強会的なコミュニティでとても人気です。私も登壇したり、参加したりしたことがありますが、未経験でも楽しめる勉強会だと思います。

 また、Pythonを学ぶ上で忘れてはいけないことをお伝えします。Pythonにはプログラミング規範(お作法)ともいえる「Pythonic(パイソニック)」と「PythonZen(パイソンゼン)」というフィロソフィーがあります。Pythonという言語の良い点には得意分野におけるライブラリーが充実していることや学びやすさ、保守性の高さがあります。保守性が高いのは多くのPythonプログラマーの方々が、プログラミング規範(お作法)を守っているからだと私は考えます。多くのプログラマーが基本に忠実に書けば、自ずと読みやすいコードを書くようになり、結果的にコードの品質が上がり、保守性が高まると考えます。そういう意味では、Pythonで書かれたコードの品質の高さや保守性の高さは言語の特質というよりもPythonプログラマーの文化なのかもしれませんね。

 当協会が提供するPython試験、データ分析試験はPythonicとPythonZenに準拠しています。Pythonの学習のチェックにご活用ください。

執筆者:吉政忠志

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会 代表理事。その他、PHP試験、徳丸試験、KUSANAGI試験、Rails試験、Pythonによるネットワークの自動化試験を主宰。その他、大手企業を中心にマーケティングアウトソーシングを提供する吉政創成株式会社の代表取締役を兼任

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