120Hzの壁の高さが感じられた「Half-Life: Alyx」
続いては「Half-Life: Alyx」で試してみよう。画質は“高”設定とし、次のシーンにおけるフレームタイムを計測した。
Cooking Simulator VRよりもHalf-Life: Alyxの方が描画負荷が高いことは、GPUフレームタイムがどのGPUも長いことから明らかだ。特にRX 6600 XTでは16.5msあたりまで来る瞬間もみられる。ただそれでもVIVE Pro 2側のリフレッシュレートは120Hzなので実質60fps表示になっている(16.777...ms以内ならば60fps表示になる)。
一方RX 6700 XTは11ms弱(≒90fps出せそうな値)に収まっているが、VIVE Pro 2上では60fps表示になる(90fpsは120fpsの整数分の1ではないため)。RX 6700 XTを使う場合はVIVE Console上で90Hz表示にするのが良いだろう。
今回の環境で120fpsを安定して出せそうなのはRX 6800 XTのみとなる(平均8.2ms)。RX 6800は8.3msの壁を時々超えることもあるため、120fps出ているようだが若干スタッターが出る(実際にそれが見えるかどうかはさておき)可能性がある。VIVE Pro 2のスペックをフルに活かして冒険するには、画質を少し落とす必要があるだろう。
ちなみにCPUのフレームタイムを見てみるとRX 6600 XTが最も悪く、上位のRadeonに行くに従い安定するようになる。RX 6600 XTのCPUフレームタイムが暴れるのは、描画が間に合わずリプロジェクションなどの余計な処理が入るためと思われる。
ではRX 6600を加えてVIVE Pro相当の縦方向解像度で動かした時のフレームタイムも見てみよう。
解像度を下げて描画負荷が下がった結果、ネイティブ解像度では8.3msを大きく超えていたRX 6700 XTが8.5ms前後に、RX 6800も7.4msまで短縮された。だがRX 6600 XTは120fpsを出そうとしても性能が追い付いていない。メモリーバス幅128bitのGPUの限界といえるだろう。ただリフレッシュレートを90HzにおさえたRX 6600で10msをやや上回る程度に収まっているので、RX 6600 XTでも「ディスプレイの設定」を下げることで90fpsで安定した映像が得られるようになるだろう。