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新旧デジタル大臣が登壇した「Microsoft Japan Digital Days」レポート

デジタル庁が目指す社会、日本マイクロソフトが掲げる「Revitalize Japan」

2021年10月13日 15時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ

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「DX=マイクロソフト」となり、日本企業の変革を支援

 Day 1では、日本マイクロソフトの吉田仁志社長が登壇。「“Revitalize Japan” 日本社会の再活性化に向けたデジタル トランスフォーメーション」をテーマに講演した。

日本マイクロソフトの吉田仁志社長

 吉田社長は、2021年7月からスタートした同社2022年度の事業方針に、「Revitalize Japan」を掲げたことに触れ、「DXは、日本の経済や社会にとって、喫緊の課題である。日本社会の再活性化を最優先課題として取り組んでいく。マイクロソフトといえばDX、DXといえばマイクロソフトと想起してもらえるようになり、お客様に寄り添うマイクロソフトとして、大企業、中堅中小企業、公共分野、個人といったそれぞれにおける変革を支援することに力を注ぐ」と語った。

 大企業向けには、世界をリードする日本の企業の変革を支援することで、それぞれの産業における成功事例を構築し、業界全体のDX推進を活性化。中堅中小企業向けには、リモートワーク環境の整備、レジリエンシーの維持や安全なビジネス環境の構築に向けて、今後5年間で、中堅中小企業のクラウド利用を10倍にまで伸ばすとした。文教や医療を含む公共分野では、世界各国の成功事例や知見を活用。最新テクノロジーを用いた支援を行うという。

 一方で、同社2022年度のテーマに掲げた「Revitalize Japan」を実現するエンジンと位置づけたのが、Microsoft Cloudだ。

Microsoft Cloud

 Microsoft Cloudは、Microsoft Azure、Microsoft 365、Microsoft Dynamics 365、Microsoft Power Platform、GitHub、LinkedInなどによって構成されるもので、今回の講演では、「デジタルインフラ」、「ハイブリッドワーク」、「セキュリティ」の3点から説明した。

 デジタルインフラでは、2025年までに発生するデータが175ゼタバイト以上に達し、さらに増加するデータを処理するために、世界60リージョン以上にデータセンターを設置し、Azureが世界のコンピュータの役割を果たすこと、ハイブッリドワークでは、どこで仕事をしていても、誰とでもつながりを持てるような環境を実現するツールとしてMicrosoft Teamsを提供。現在、全世界で月間2億5000万人が利用し、企業だけでなく、遠隔授業や遠隔医療にも利用されていることを紹介。

 さらに、セキュリティでは、マイクソロフトがセキュリティ分野に年間10億ドル以上を投資していることや、今後5年間で200億ドルの追加投資を行う発表をしていることに触れ、「Microsoft Cloudは、データ、デバイス、アイデンティティ、プラットフォームを包括的に保護することができる。セキュリティは、安心して、マイクロソフトの任せてほしい」と述べた。

セキュリティへの投資

 一方、同社2021年度については、「トランスフォーメーションの第一歩を踏み出すことができた1年だった」と振り返り、「『Transform Japan、Transform Ourselves』という姿勢で、お客様に寄り添い、日本の社会変革に向けたトランスフォーメーションを進めてきた。マイクロソフトユーザーのクラウド利用は、前年比60%増と大幅な成長を遂げ、産業界だけでなく、政府や自治体でも、Azureをはじめとしたクラウド活用が進み、顧客満足度調査でも高い評価を得たることができた」などと総括した。

DXを成功させる「ビジョンと戦略」「組織文化」「独自性」「人材」

 また、吉田社長は、DXを成功させる4つの要素として、「ビジョンと戦略」、「組織文化」、「独自性」、「人材」をあげ、マイクロソフトのDXへの取り組みの経緯を踏まえながら説明した。

 吉田社長は、「組織が向かう方向を明確にし、それを実現するアプローチを定める必要がある。マイクロソフトは、2014年にビジョンと戦略そのものを考え直し、未来を見据えて、どこに進むべきか、自分たちか目指す北極星はどこかを明確にして、変革を進めた。また、マイクロソフトはチャレンジャーとして、学ぶ姿勢を徹底した。文化は、組織にとって、最大の強みにもなり、最大の弱みにもなる。チャレンジし続ける文化が、変革をドライブする」と述べた。

 さらに、「マイクロソフトとはいったい何者なのか、お客様に対してどんな価値を提供できるのか、ということを徹底的に考え、ビジネスモデルをクラウド中心へとシフトさせた。他社との差別化ポイントや市場価値を見出して、独自のポジションを築くことが重要である」と発言した。また、人材については、日本でDXが進まない理由として、半分以上の企業が、人材不足を最大の理由にあげているという情報通信白書2021年度版のデータを引用しながら、「2030年には約79万人の人材が不足すると言われている。日本マイクロソフトでは、グローバルスキルイニシアティブジャパンを通じて、2025年末までにAIやクラウドのスキルを持った人材を、20万人育成する」と述べた。

 2021年10月5日から正式リリースとなったWindows 11についても初めて言及。「現在、10億人以上がWindowsを利用している。コロナ禍でPCの重要性が再認識され、新たなハイブリッドワークが求められているなかで、Windows 11は、ユーザーインタフェースを刷新し、ゼロトラストセキュリティを備え、クウラドの親和性を高めた次世代の画期的なOSへと進化した」と位置づけた。

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