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新色ピンクにさらなる強力カメラ! iPhone 13、ASCII徹底大特集 第55回

究極のコンパクト新「iPad mini(第6世代)」はどこへでも連れて行きたくなる

2021年10月10日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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サードパーティ製の周辺機器の充実に期待

 最後に、個人的な願望も含めて、新しいiPadについて主観的にコメントしておこう。何度も言うようだが、新しいiPad miniは、現行のiPad Airをしのぎ、iPad Proにも迫るような高性能が、このサイズに凝縮された非常に魅力的なマシンに仕上がっている。歴代のiPadの中でもっとも気になる存在と言える。しかし、まったく不満がないわけではない。多少の無理も承知しつつ、欠点として次の3つを挙げる。

・Smart Connectorがない
・ワイヤレス充電に対応していない
・携帯電話としての通話機能がない

 Smart Connectorがないことは、言い換えれば純正のキーボードが用意されていないということ。このサイズでは、言うまでもなく標準サイズのキーボードを用意することはできないから、アップルとしては最初から念頭にないと思われる。アップルがハードウェアのキーボードを製品化する場合、少なくともアルファベット部分はキーのピッチが19mmの標準サイズでなければならないという社内基準があるのだろう。そうしたポリシーは、操作性を重視する姿勢を示すものとして理解できる。

 しかし、だからと言って、それ以下のサイズのキーボードが使いものにならないというわけでもない。このサイズでも物理的なキーボードで文字を入力したいというニーズは少なからずあるはずだ。現にiPhoneでは、ソフトウェアキーボードをQWERTY配列で表示したとき、キーのピッチは数mm以下になるが、それでも立派に操作できる。

 現状では、iPad mini用のキーボードは、サードパーティ製の登場に期待するしかない。その際も、Smart Connector経由で本体から電源が取れないのは大きなネックになる。信号はBluetooth接続で問題ないとしても、ワイヤレスで電源は取れない。バッテリーを内蔵すれば、それだけ重くなってしまい、いっしょに持ち運ぶiPad miniの可搬性を損ねることになる。USB-Cポートに接続する手もあるが、操作性や見た目が損なわれる。

 キーボードではないが、純正のSmart Folioは移動時の本体の保護と、スタンドとしての機能は使いやすい。ただし、これだけでも重さは難点だ。実測で106gほどあり、約300gの本体に取り付けると、3割以上も重くなる。スタンドとして使う場合には、極端に角度の違う2ポジションで設置できるが、微妙な角度調節ができないのが残念。

 垂直に近いポジションの場合、画面にタッチするとスタンドがたわんで、本体が前後に揺れてしまう。特に最初のうちは気になるが、さほど操作性が損なわれるほどではなく、慣れれば気にならなくなるだろう。目的がカバーではなくスタンドにあるのなら、角度調整ができ、しっかりと固定できるサードパーティ製を探したほうがいいかもしれない。

 次の不満は、ワイヤレス充電に対応していないことだ。これまでiPadではワイヤレス充電に対応したモデルはないが、この新しいiPad miniでは、その領域に踏み出しても良かったのではないか。そう感じさせるのは、これだけのポータビリティを確保し、スマートフォンとタブレットの中間的な使い方のできるマシンだからだ。そこだけがiPad miniの機動性を削いでいるような気がする。

 現状では20Wの充電器と、両端にUSB-Cコネクターが付いたケーブルが付属している。これで特に不便はないが、やはり旧態然とした雰囲気は否めない。

 もう一言付け加えれば、iPhoneでは環境問題を重視して電源アダプターを付属させないことにしておきながら、iPad miniには付属しているのは、いまひとつ解せない。それにはアップルなりの考えがあってのことだろうし、本体の充電用コネクターがUSB-Cになっているから、ということもでもあるのだろう。それでもiPadは環境に配慮しなくても良いのか、という疑問は拭えない。

 もう1つはSmart Connector同様、あるいはそれ以上に実現可能性の低いことかもしれない。それは、Cellularモデルには携帯電話としての通話機能があれば、という希望の裏返しの不満だ。最近では、MVNOの提供するSIMの月額基本料を見ると、データ通信のみの場合と音声通話機能付きで、差がかなり小さくなっている。もちろん、iPhoneのようにディスプレーを耳に押し当てての通話には無理があるだろうが、スピーカーフォンとしては、十分に会話できるはずだ。iPad miniでも、インターネット経由では、さまざまな通話機能が使えるが、携帯電話としても使えれば、何かと便利には違いない。

 こうした不満はともかく、このサイズでこれだけ強力な性能と機能を備えたiPad miniには、改めてこのサイズのマシンに注目を集めるだけの力がある。

 今回試用中に気付いたのは、SidecarによってMacのサブディスプレーとして使う場合、狭いデスクスペースでもMacの横に置いておいて、まったくじゃまにならないこと。そこから席を立つ際には、iPad miniだけをさっとつかんで持って行っても、一通りのことはできる。また、これは実際には試していないが、車のダッシュボード近くに固定して、カーナビをはじめとする情報表示端末として利用する際にも、情報量が多く、かつじゃまにならない、絶妙のサイズだろう。

 こうしたiPad miniの特長がいかんなく発揮できるようになるためには、やはりそれをサポートするiPad mini専用の周辺機器が非常に重要となる。ここは、アップルよりもサードパーティの周辺機器の充実に期待したい。

 

筆者紹介――柴田文彦
 自称エンジニアリングライター。大学時代にApple IIに感化され、パソコンに目覚める。在学中から月刊ASCII誌などに自作プログラムの解説記事を書き始める。就職後は、カラーレーザープリンターなどの研究、技術開発に従事。退社後は、Macを中心としたパソコンの技術解説記事や書籍を執筆するライターとして活動。近著に『6502とApple II システムROMの秘密』(ラトルズ)などがある。時折、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、コンピューターや電子機器関連品の鑑定、解説を担当している。

 

訂正とお詫び:初出時、一部画像に誤りがございましたので、訂正いたしました。(2021年10月10日)

 

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