日本HPは8月5日、HP Indigoデジタル印刷ソリューションが三菱ケミカルなどが推進する循環型システム実現に向けた実証試験に採用されたと発表した。
実証実験はギラヴァンツ北九州が8月22日・28日に開催するサッカーイベント「ギラヴァンツサマーフェスティバル2021」で行なうもので、三菱ケミカルが生分解性樹脂BioPBSを使用した紙コップを提供した後に回収、コンポスト設備で食品残渣物などと一緒に堆肥化。堆肥は地元の高校で野菜の栽培に活用し、さらに収穫された野菜をスタジアムで販売する。
三菱ケミカルのBioPBSは植物由来の生分解性樹脂で、自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解される自然環境への負荷が少ない樹脂素材。通常は耐水性のためにポリエチレンでラミネート加工される紙コップの内側にBioPBSを用い、紙コップの外側は「HPエレクトロインキ」で印刷することで高品質なフルカラーの紙コップがコンポスト設備や土壌で分解可能になる。実証実験では東和プロセスにて「HP Indigo WS6600デジタル印刷機」で印刷を行なった。
HP IndigoエレクトロインキとMichelmanのプライマーは、欧州の堆肥化試験規格EN 13432に準拠したコンポスト化ラベルおよび軟包装用印刷インキ(一定の許容限度まで)として使用できることがTÜV Austria社により認定。印刷物は欧州の包装材および包装廃棄物指令(94/62/EEC)と北米のASTM6400の要件に準拠している。