オンラインでも従来のライブに近い収益化が可能に
-ー音楽業界は、コロナ禍において減収傾向にある業界のひとつかと思います。音楽業界をサポートする意味合いがあると発表時の資料にも記載されていますが、アーティストさん側には、どのような形で収益が発生するのでしょう。
山下氏「いくつかのパターンがあるのですが、最もスタンダードなのは、チケットの売り上げのほとんどを事務所さんやアーティストさんの収益として還元し、私たちは手数料をいただくという形式です」
-ーそうなると、従来のライブの収益化構造とほとんど変わりなく、アーティストさんが利益を受け取れるということになりますね。
山下氏「大きく異なっているのは、会場をレンタルする費用の部分でしょうか。いまは大人数をひとつの会場に集めることが難しいので、アリーナや大ホールを借りてライブをする意義が薄れています。ここの費用がないので、収益の大部分をアーティストさん側が受け取れることになります」
-ーそれは素晴らしいことです。でも、会場についてはどうするのでしょう?
山下氏「そこもdTVを用いたライブ配信の特徴のひとつです。というのは、BLACKBOX³(ブラックボックス)というスタジオと提携しておりまして、ここは音響設備と、壁面いっぱいのLEDパネルが設けられているんです。オンラインとリアルのライブでは、音作りも大きく異なりますので、配信時に良質な音響をどう確保するかというのは、オンラインでのライブ配信における課題のひとつになってました。
dTVを通じて配信していただく場合、BLACKBOX³が利用できますので、音響はもちろん、LEDパネルを用いた演出も利用していただけます。言い方を変えれば、アーティストさんは“身体ひとつ”で来ていただくだけで、ライブ配信ができるということになります」
-ー実際にライブ配信をされた方からは、どのような意見がありましたか。
山下氏「喜んでいただいています。アーティストさん側とも、決まった形式というよりは、都度都度、どんな演出をしていくかや、『こんな仕組みが作れたらいいよね』と話しながら進めていますし、今後も、アーティストさん側と事前に話し合って、一緒にライブを作っていくという姿勢を心がけたいですね」
ライブに不慣れな人にも楽しんでほしい
-ー最後に、dTVのライブを使うユーザーさんに向けて、メッセージをいただけますか。
山下氏「1200本の過去のライブ映像も楽しめますし、アーティストさんを身近に感じられるような、dTVのみの特別な番組も用意していますので、dTVのライブには、サブスクリプションサービスとしての魅力とメリットが備わっていると思います。
前身のサービスとなる新体感ライブ CONNECTの立ち上げ時には、ライブ会場に行ってライブを見ることに不慣れな方や、興味はあるけど、なかなか会場へ行く勇気が出ないという方にも、生のライブのよさを体感してほしいという想いがありました。dTVのライブジャンルでもそのコンセプトは引き継いでいますので、そうした方々も含め、幅広い層の方に楽しんでいただきたいですね」