マイナスからの船出、変えていくべきところは変える
1921年に創業した三菱電機は、今年100年目の節目を迎えている。
「三菱電機は、創業以来、モノづくりを基盤として、事業を継続し、たゆまぬ技術革新と限りない創造力により、活力とゆとりある社会の実現に貢献するという企業理念を掲げてきた。これは、三菱電機の存在意義そのものである。この存在意義を、いま一度見つめなおしたい」と語り、「まずは、経営陣一人ひとりが、変革の気持ちをしっかりと持ち、自らの意識と行動を変えていく必要がある。そのために行うべきことは、社内外の様々な声に真摯に耳を傾けることである。また、積極的で、透明性の高い情報開示と、ステークホルダーとの対話を一層推進していく」
続けて、「信頼回復は、相当に困難な道のりだ。だが、変えていくべきことは変える。もう一度、お客様や社会からの信頼を回復し、三菱電機グループで働く全従業員が自信を取り戻すため、経営の変革と企業風土改革に、誠心誠意、努めていく。従業員一人ひとりの心に変革の炎を灯し、変革に向けて、誰もが自発的に行動できる風土を醸成し、仲間や組織としての一体感、心を震わせるような共感を呼び起こしながら、力強く前進できる会社を作りたい」と語り、「三菱電機の製品を愛していただいているお客様、三菱電機ストアの方々には申し訳ないと思っている。生まれ変わる三菱電機の姿をしっかりと示せるように、私自身が先頭に立ち、不退転の決意で、新たな三菱電機グループの創生を実現したい」と強い口調で語る。
三菱電機では、長崎製作所が製造する鉄道車両用空調装置などの不適切検査判明を受けて、外部専門家で構成される調査委員会を、7月21日に設置。事実調査、真因究明と再発防止策の策定、提言を行うことを発表している。また、名古屋製作所可児工場で判明した電磁開閉器における第三者認証不適合の件についても、同調査委員会に移行して調査を進める。調査委員会は、2021年9月を目途に、調査結果の報告と再発防止策の提言を行う。
マイナスからの船出となった漆間新体制だが、まずは、9月に予定されている調査委員会による報告と提言を受け、どんな一手を打つのかが、漆間社長兼CEOの変革に対する本気ぶりを示すバロメータになる。
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