このページの本文へ

性能と発熱のバランスを考慮した組み合わせ、13万円台とリーズナブルな価格も魅力

写真・動画編集が快適こなせてモバイルも可能な2kg以下の高コスパ15.6型ノートPC「raytrek G5-R」の性能をチェック

2021年07月10日 12時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「raytrek G5-R」

 サードウェーブのクリエイター向けパソコンブランド「raytrek」から、AMDの「Ryzen7」を搭載したノートパソコン「raytrek G5-R」が発売された。前回は外観や使い勝手などについて紹介したが、今回は各種ベンチマークテストを行ない、その実力の確認をしてみた。

 改めてスペックの確認をしておこう。CPUはAMD製の第3世代Ryzen「Ryzen 7 4800H」を採用。グラフィック機能を内蔵したモバイル向けのプロセッサーとで、7nmプロセスにZen2アーキテクチャと、最新設計のCPUになっている。

搭載されているのはコードネーム「Renoir」でお馴染み、第3世代RyzenHシリーズの「Ryzen7 4800H」。7nmプロセスで製造され8コア/16スレッドで動作する

 8コア/16スレッドで動作し、ベースクロックは2.90GHz、最大ブーストクロックは4.2GHzで、ライバルにあたる同クラスのインテル製CPUに比べてコア数が多いがリーズナブルな点が特徴として挙げられる。またプロセスが7nmと微細化されている分、同じTDP45Wでありながらもベースクロックが高めなのも、実用性に期待できる部分となる。

 ノートパソコンに搭載されているCPUは発熱を抑えるためか、CPUのスペック上のターボブースト最大クロックまで上がることは珍しく、多くのノートパソコンのテストを行なってきた経験上、ベンチマークテストはともかくとして、個人的に利用頻度の高いPhotoshopやPhotoshop Lightroom Classic、PremiereProなどでスペック上の最大クロックまで上がるのはあまり見たことがない。

 なので、ターボブースト時の最大クロックよりもベースクロックのほうに目が行ってしまうため、同クラスのインテル製CPUよりもコア数が多く、ベースクロックの高い「Ryzen 7 4800H」には期待が持てる。

 GPUはCPU内蔵の「Radeon Graphics」のほかに、NVIDIAの「GeForce GTX 1650 Ti」が搭載されている。当然ながらクリエイティブ系の作業においてはディスクリートGPUの効果が大きく、内蔵グラフィックでの処理とは段違いに処理効率が高くなる。

「Ryzen7 4800H」に搭載されている「AMD Radeon Graphics」はグラフィックコアを7機搭載し、CPU内蔵グラフィックとして単体での性能も高い

NVIDIAの「GeForce GTX 1650 Ti」を搭載。ビデオメモリーは4GB、メモリはGDDR6でメモリーバンド幅が広くなり、従来のGTX 1650よりも性能が向上している

 3D系の処理や開発がメインとなるとGTX 1650 Tiではちょっとパワー不足に感じるが、写真・動画編集といった処理ならGTX 1650 Tiでも十分すぎるほどの処理能力を発揮できる。モバイル性能も高めなraytrek G5-Rには、発熱や消費電力を抑えられるので、最適なGPUではないだろうか。

 なお、今回の試用機はraytrek G5-Rの基本構成で、メモリーが16GB、8GB×2枚のデュアルチャネル、ストレージはNVMe接続の512GB SSDが搭載されている。この基本構成で13万4979円からと、リーズナブルな価格も魅力的だ。

クリエイティブ作業もしっかりこなせそうな高い性能を発揮

 第3世代Ryzenではあるものの、モバイル用の4000シリーズはPCIe4.0には未対応で、ストレージ接続はPCIe 3.0接続になっている。まずはストレージの転送速度からみてみよう。おなじみ「CrystalDiskInfo」と「CrystalDiskMark」の結果だ。

PCIe3.0の接続だがシーケンシャルリードは3500MB/秒弱、ライトで2500MB/秒となかなかの好成績だ

 シーケンシャルリードでほぼ3500MB/秒、ライトで2500MB/秒はかなりいい数値だろう。NVMe接続といってもシーケンシャルリードで2000MB/秒や2500MB/秒といったコストを優先したSSDを搭載するマシンも少ないくないため、十分な性能といえる。

 CPUの処理性能をマルチスレッド動作と、シングルスレッド動作とで測定できる定番のベンチマークテスト「CINEBENCH R23」をチェック。初期設定になっている10分連続動作の測定を行なった。

ベンチ開始直後は4.00GHz弱までクロックが上がるが、すぐに3.80GHzあたりに落ち着く。テスト中のコア温度もチェックしたが発熱の心配も少ない

マルチで10824pts、シングルで1247ptsと、デスクトップパソコンと見間違うほど、かなりの好成績

 マルチスレッドの結果が10824pts、シングルスレッドが1247ptsと、ノートパソコンとは思えない高いスコアになった。AMD製のデスクトップ用CPUで昨年大人気だった「Ryzen5 3600X」を超えるスコアが出たのはちょっと驚きだ。

 マシンの様々な使用状況をシミュレートし、総合的にパソコンの総合性能を測定できるベンチマークテスト「PCMark 10」をチェック。総合評価だけでなく作業の内容毎に評価が出るので、どういった作業が得意かを判断することもできる。

総合スコアは5725、ここ最近のハイスペックノートパソコンの中では高めの結果になっている

 総合スコア「5725」はノートパソコンの中ではかなり高い評価だ。詳細を見ると一般的なPC操作を測定する「Essentials」で9084と高く、その中でもアプリケーションの起動スコアは5桁に達し、Webブラウジングも高いスコアが出ている。オフィス系の処理を行なう「Productivity」と動画エンコードや写真処理を行なう「Digital Content Creation」も、内蔵グラフィックとGTX 1650 Tiを搭載しているためか、好成績になっている。

 オフィス系の事務処理からクリエイティブ系の処理までバランスよくまとまっているのが確認できる。

 3DMarkは主にGPUの性能チェックを行なうベンチマークだ。ゲームを中心にグラフィック描写においてどれくらいの性能が出るかをチェックできる。DirectX 12を使用する「TimeSpy」で測定してみた。

「TimeSpy」の結果

 スコアは「4036」で、内訳としてGPUが「3690」、CPUが「8624」となった。搭載されているGTX 1650 Tiはゲーム界隈ではエントリークラスに位置するため、3D主体でグラフィック重視傾向のゲームタイトルではちょっと厳しめ。ただ、raytrek G5-Rの用途的にディスクリートGPUはクリエイティブ系アプリを使用する際の補助的な意味合いが強く、3D系の処理よりもコスト優先でGTX 1650 Tiが選ばれていると思われる。イラスト作成や写真処理、動画編集を行なうには十分な性能で、発熱や消費電力を抑えるという点ではバランスのいい組み合わせといっていいだろう。

 参考までにゲームのベンチも測定しておこう。ゲームとしては負荷が重めな「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver1.2」をチェック。解像度はフルHD(1920×1080ドット)、標準品質、フルスクリーンで測定を行なった。

タスクマネージャーを表示させるためウインドウモードで右上にNVIDIAの「GeForce Experience」の機能を利用しフレームレートを表示させた。オブジェクトやエフェクトが多くなるシーンでは50fps程度まで落ちるがほぼ60fps以上で動作していた

スコア「5833」で評価は「やや快適」となった

 フルスクリーンで測定を行ったがスコア「5833」で評価は「やや快適」。フルHD表示で多少画質の設定を行なえば、結構快適に遊べそうだ。仕事やクリエイティブ系作業だけでなく遊ぶのにも十分な性能があり、作業内容を絞れば3D系の処理も行なえるだろう。

 ベンチ結果はおおむね良好といった感じで、ノートパソコンながらもデスクトップパソコンと十分に張り合える処理能力を持っているのが確認できた。基本構成で実用的なスペックを備え、高色域ディスプレーを持っているため、かなりコストパフォーマンスが高いといっていいだろう。

 次回は実際に作業を行なってベンチマークテストでは判断しにくい実用面をチェックしてみようと思う。

試用機のraytrek G5-Rの主なスペック
CPU Ryzen 7 4800H(2.9GHz~最大4.2GHz)、8コア/16スレッド
グラフィックス GeForce GTX 1650 Ti(4GB GDDR6)
メモリー 16GB
ストレージ 512GB SSD(M.2接続/NVMe対応)
ディスプレー 15.6型(1920×1080ドット)、sRGBカバー率約99% (sRGB比約100%)/AdobeRGBカバー率約76%(AdobeRGB比約77%)
内蔵ドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.1
インターフェース USB 3.2 Gen2 Type-C、USB 3.2 Gen1 Type-A×2、USB 2.0、マイク入力、ヘッドフォン出力、HDMI2.0、miniDisplayPort×2、SDカードリーダー
サイズ/重量 およそ幅359×奥行243×高さ20.5mm/約1.9kg
OS Windows 10 Home(64bit)

■関連サイト

カテゴリートップへ

関連サイト
コンテンツ