キャリブレーション済の
4K HDRモニターで漫画を描くと……?
BenQのデザイナーモニター「PD2725U」は、27インチの画面サイズに4K HDRの高解像度/高画質を備えたクリエイター向けの一台だ。今回はクリエイターに「PD2725U」を数週間にわたって試用していただき、その使い勝手を伺った。「PD2725U」の詳細については前回のレビュー記事を参照いただきたいが、ざっと以下のような特徴がある。
・27インチ大画面、ノングレアIPSパネル採用
・4K(3840×2160)の高解像度
・キャリブレーション済み。VESA DisplayHDR400ほかに対応
・4辺フレームレスでスタイリッシュなデザイン
・接続インターフェイスとしてThunderbolt 3対応&USBハブ機能搭載
・異なる表示モードを同時分割表示できるDualView機能
・フリッカーフリー、ブルーライト軽減機能など目の疲れにも配慮
今回「PD2725U」を体験していただいたのは、漫画家の筆吉純一郎氏。主な著作に『空想科学大戦!』『Dr.猫柳田の科学的青春』(原作:柳田理科雄)ほか多数。精緻な筆致が持ち味で、ルポルタージュ作品の執筆も多く手がけている。
陰のMVPは「揺れない、邪魔しない」スタンド
―― 現在の執筆環境を教えてください。
筆吉 デジタル環境を取り入れてから十数年経ちました。当初は「ComicStudio」、現在は後継ソフトの「CLIP STUDIO PAINT EX」(クリスタ)を使用しています。
漫画の場合はアナログでペン入れまで進めてから紙をスキャンして、その後フィニッシュまでデジタル作業、という流れです。もちろんフルデジタルで作画することもありますが、基本的にはペン入れした線の修正とトーン貼り、そして彩色がメインです。
―― 今回「PD2725U」を数週間試用していただいたわけですが、いかがでしたか?
筆吉 直前まで24インチのモニターを使っていたので、梱包された箱が届いたときは『ずいぶん大きいなあ』と思ったのですが(笑)セッティングしてみると、27という数字ほどの圧迫感はありませんでした。ベゼルが細いせいかな。
―― デザイン的にはいかがでしょう?
筆吉 あまり他人に見せる環境でもないので外観自体にこだわりはないのですが、「PD2725U」を使い始めてすぐ気づいたのが、スタンドの作りが良いこと。
作業中は当然ペンタブレットの上で手を動かすわけですが……これが皆さんの想像よりも結構激しい。ですから、いままでのモニターですと画面がちょくちょく揺れていたんです。
ところが「PD2725U」の場合はスタンド部分がどっしりしていてそういうことがない。かといって、高さ調整にはほとんど力が要らないのですね。
そうそう、スタンドの台座部分がほぼフラットじゃないですか。これが意外にも便利。資料などを置くときに邪魔にならないのはありがたいです。