第9世代インテルXeon E搭載、従来モデルと互換性を維持しつつDisplayPort追加やステンレス筐体採用
PFU、小型組込みコンピュータ新版「AR2100/2200モデル120N」販売開始
2021年06月25日 11時00分更新
PFUは2021年6月25日、小型組込みコンピュータ「AR2000シリーズ」の最新モデル「AR2100モデル120N」「AR2200モデル120N」を販売開始した。従来モデルとサイズやインタフェースの互換性を維持しつつ、第9世代(Coffee Lake Refresh)インテルXeon Eシリーズプロセッサ搭載、DesplayPortを含むインタフェース追加といった強化ポイントがある。
また、新たにステンレス筐体を採用しており、クリーンルームに設置する場合に問題となる塵埃(ちりやほこり)の発生を防ぐほか、医療機関などで表面をアルコール清掃しても変色や変形が生じない仕様となった。
AR2100モデル120N/AR2200モデル120Nは、同社の組込みコンピュータ「ARシリーズ」のワークステーションクラス/モバイルクラスに位置づけられる小型モデル。前世代モデル(各「モデル120L」)と筐体サイズや取り付けネジ位置は同一で、交換性/互換性を持たせている。
CPUには、第9世代のインテルXeon E/Celeronプロセッサ、または第8世代(Coffee Lake)のCore i3プロセッサを搭載し、前世代モデルを超えるプロセッサ性能を有する。また、CPUの負荷状態や温度環境などの影響を抑えるPFU独自のエンベデッドチューニングを施しており、産業用途で求められる安定した高性能を維持する。
インタフェースについては、1GbEポートを4つに増設(前世代モデルは3つ)したほか、ディスプレイ表示用インタフェースとして、従来のアナログVGAやDVI-Dに加えて、新たにDisplayPortを搭載した。これにより、医療用途などでニーズの強いマルチディスプレイ表示にも対応できる。なお、シリアルポートなどのレガシーインタフェースも引き続き搭載し、既存システムとの互換性も維持している。
筐体の素材には、今回は新たにステンレスを採用している。サビやウイスカ(金属表面に自然発生する金属結晶)を防ぎ、クリーンルームに設置する際に問題となる塵埃の発生を極力抑制できる。また、コロナ禍を通じて医療現場などで必要となっているアルコール消毒についても、表面をアルコール消毒液で拭き取っても変形や変色が起きない仕様となった。
なお、ARシリーズではメンテナンス性能の向上に務めているが、今回の新モデルでは2本のSSDがネジレス装着となっており、簡単にSSDの取り外し交換ができるようになっている。なお、AR2200モデル120NではソフトウェアRAIDにも対応している。
AR2100モデル120N、AR2200モデル120Nの出荷開始は今年12月から。PFUでは、AR2000シリーズ全体で、今後3年間で2万台の販売目標を掲げている。