シャオミのスマートフォンと言えばメインモデルの「Mi」シリーズと低価格な「Redmi」シリーズが日本でも販売されています。海外では性能と最新技術を搭載するラインナップとして「Mi MIX」シリーズもあり、折りたたみディスプレー搭載の「Mi MIX Fold」が発表され大きな話題になったのはつい先日のこと。また、ほかにもシャオミが出資するゲーミングスマートフォンメーカー「BlackShark」の端末も、シャオミのサブブランドとして販売している国があります。
しかしシャオミのサブブランドはこれだけではありません。シャオミとは別にウェブページを展開している「POCO」は大胆な本体デザインでシャオミとは思えぬ独自の製品展開を進めています。ウェブページもブラック&イエローという落ち着きのある色合いで、シャオミのホワイト&オレンジとは大きくイメージが異なります。
POCOはもともとはインド向けのプレミアモデルとして誕生しましたが、現在はエントリーから上位モデルまで複数の製品を出しています。2020年秋以降に出てきたモデルは「POCO」のロゴを本体背面に大きくフィーチャーしており、ブランド認知度を高めようとしています。
現在のPOCOのラインナップは「X」「M」「F」「C」ですが、Cシリーズは2020年10月にインドで発売された「C3」が最後で、エントリークラスのモデルはMシリーズに統合しているようです。
そのMシリーズの最新モデル「M3 Pro 5G」はチップセットにMediaTekのDimensity 700を採用した低価格5Gスマートフォン。6.5型(2400x1080ドット)ディスプレー、メモリーは4GBまたは6GB、ストレージが64GBまたは128GB。4800万画素カメラと200万画素のマクロ、200万画素深度測定カメラに800万画素フロントカメラとカメラスペックはベーシックですが、バッテリーは5000mAhと大型のものを搭載し、最低価格は179ユーロ、約2万4000円。5Gスマートフォンとしては格安です。
POCOは主力市場が新興国だったこともあって、低価格機も早々に5Gシフトを進めているようです。しかし、先進国でも十分通用する5Gスマートフォンを投入しました。POCOのもう1つの5Gスマートフォン「F3」は2021年4月に発売。Snapdragon 870に6.67型(2400x1080ドット)ディスプレー、メモリー6GBまたは8GB、ストレージ128GBまたは256GB、カメラは4800万画素+800万画素超広角+500万画素マクロにフロント2000万画素、バッテリーは4520mAhで349ユーロ(約4万7000円)から。M3 Pro 5Gの倍の価格ですが、性能を考えると妥当なところでしょうか。
POCOの他のモデルは「M3」「X3」など4G機。ラインナップはまだ10機種以下と少なく、これから製品を増やしていく予定です。2021年後半にこれから出してくモデルはおそらくすべて5G対応品としていくでしょうね。POCOのもう1つのライン、Xシリーズはカメラを強化したモデルですが、5G対応の新製品として「X3 GT」が出てくると噂されています。
このX3 GTは中国で発売されたばかりの「Realme Note 10 Pro 5G」と同一ハードとも言われていますが、本体デザインは他のPOCOシリーズ同様にブランドロゴを大きくアピールしたものになるのでしょう。
ほかにも「Redmi K40 Gaming」をベースに「F3 GT」も発売予定とのこと。そもそもF3もシャオミの「Redmi K40」がベースになっています。豊富なシャオミ製品からPOCOのポートフォリオにマッチした製品をPOCOブランドで出すことで、シャオミ以外のブランドのファンも広げ、シャオミはスマートフォン販売数をさらに拡大しようとしているわけです。
シンガポールなどではシャオミのウェブページにPOCO製品も表示されており、国によってはまだ「Xiaomi&POCO」という売り方もされているようです。しかし、いずれPOCOの製品が増えていけば、ファーウェイとHonorの関係のように販売も流通も別、という完全独立ブランドになっていくかもしれません。
ただ、POCOのスマートフォンが日本に入ってくることは当面なさそうです。シャオミのスマートフォンが日本でもメジャーとなり、2~3ヵ月おきに新製品が出てくる、なんて時代になれば、シャオミとしても販売数拡大のためPOCOブランドを投入してくる可能性もあるかもしれません。POCOがこれからグローバルで出していく新製品にも注目したほうがよさそうです。
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