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業界人の《ことば》から 第436回

ソニーの存在意義を定義し、企業文化に定着させた吉田会長兼社長兼CEO

2021年06月03日 09時00分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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鬼滅の刃の大ヒット

 原作のコミック作品を、Aniplexがテレビアニメ化し、その後、劇場版へと展開。それが日本で劇場興行収入が400億円を超える史上最高を記録した『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』につながっている。ここでは、ソニー・ミュージックのアーティストであるLiSAさんが、アニメ、映画の主題歌を歌い、さらに、海外でも公開され、米国では外国語映画における公開初週の劇場興行収入で史上最高を記録した。今後は、映像の分野に加えて、ゲームへの展開を予定しているという。

 ひとつのコンテンツで、映画事業のソニー・ビクチャーズエンタテインメントだけでなく、音楽事業のソニー・ミュージック、そして、ゲーム事業のソニーインタラクティブエンタテインメントが関わることで、ビジネス連携を拡大し、収益を最大化した事例だ。

 吉田会長兼社長兼CEOは、「クリエイターが創り出した『鬼滅の刃』というIPの価値最大化に努めていくことができた」と語る。

ソニーの存在意義は何か

 こうした連携強化はいくつもある。

 すでに、PlayStationゲームのヒットタイトルである『Uncharted』の映画化など、ゲームIPの映画化、テレビ番組化のプロジェクトも進んでいる。

 「ソニーの事業の多様性は、クリエイターがクリエイティビティを最大限に発揮することに貢献できる」と自信をみせる。

 吉田会長兼社長兼CEOは、「ソニーのPurpose(存在意義)を定義し、それを企業文化として定着させてきたことが、私にとっては最も重要な成果であった」と、社長就任以来の3年間を振り返る。

 ソニーグループは、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」をPurposeに掲げている。

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