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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第46回

スパイス、トマト、たまねぎの三位一体:

セブンの銀座デリー監修「チキンカラヒカレー」が絶品 550円でこれはすごすぎる

2021年05月19日 17時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「銀座デリー監修 トマトとスパイス香るチキンカラヒカレー」
セブン-イレブン
5月11日発売
550円
https://www.sej.co.jp/products/a/item/041088/

すべてのカレー好きが満足するカレーなんて……

 まず結論から。久々に「これはヒット作、かなりレベルが高い」とうなるカレーが出てきました。セブン-イレブンの「銀座デリー監修 トマトとスパイス香るチキンカラヒカレー」(以下、チキンカラヒカレー)です。550円。

といっても、見た目は普通そうに見えるかも

銀座デリー監修のロゴ

原材料はこんな感じ。トマトペーストとトマトピューレが入っているんですね

 いきなり話がそれますが、ネットで「うっめええええ! 週7でリピ確定!」とか「すべての〇〇好きに知ってほしいのだが」というようなノリで食べ物が紹介されていると、個人的には身構えてしまいます。

 なぜかといいますと、一応メディア側の人間の端くれとして、「週7で食べたことがないものを『週7で食える』と書くのは不誠実では……」と思ったり、「すべての〇〇好きが納得する〇〇などあるのだろうか……」とマジレス的な発想が出てきたりするからです。とくに後者がむずかしい。

 どうも最近、たとえば「あるジャンルが好きだ」と自称したとして、100点満点で95点以上の知識がないと「好きじゃないのでは?」と厳しい目を向けられる気がします。「ほんとうに好きなら詳しいはずでしょう」と。でも、そうでしょうか。

 我々のような専門分野がある人間、たとえば自作PCの担当が自作PCについて詳しくないとなれば困ってしまいますが、そうでないなら「お店の人に聞いて過去に1台だけPCを組んだことがあり、楽しかった」でも十分に「自作が好き」を名乗ってもいいのではないか、と思うところもあります。

 何が言いたいかというと、「好き」にもいろいろあるのです。文字通り“好み”がある。マニアもいれば、ビギナーもいる。

アスキーグルメ強く推薦セブンのチキンカラヒカレー! 特価優遇550円!

 いささか長くなりましたが、そういう考えをもっているので、おいしいカレーを見つけたとて、すべてのカレー好きに……などと書くのはためらわれます。

 しかし、思わず「すべてのカレー好きに」と書きたくなってしまうのが、このチキンカラヒカレー。コンビニで売られているカレーとしては、とてもよくできている。

550円で味のバランスもよく、チキンのサイズにも納得感がある

レンジでチンしました

 セブン-イレブンの商品紹介にはこうあります。「『銀座デリー』監修の厳選されたスパイス、トマトの酸味、玉葱の旨みがやみつきになるカレーの味わいが特長です」。実際その通りです……などと書くと編集者としての沽券に関わる問題ですが、しかし、ちゃんと“その通りにおいしい”のは評価に値するでしょう。

この「トレイを引き抜く」のが苦手なんですよね。失敗すると手が汚れちゃうし……

 銀座デリーが監修しているわけで、スパイスに関しては、香りが立ち上る本格的な味わい……というのは、まあ、順当。しかし驚かされるのは「トマトの酸味」なのです。たしかに、きちんとトマトの個性が感じられる。しかも、でしゃばらない。トマトが強すぎる、とは思わせない。なかなか絶妙なバランスです。

 もちろん、たまねぎのコクもしっかりとあります。スパイスの妙味が感じられ、トマトは目立っているのに味の邪魔をせず、たまねぎが旨味とコクをしっかり補強している。このまとまりの良さ。まさにカレーの聖三位一体、スパイスとトマトとたまねぎの御名において、というわけです。どういうわけだ、とは言わないように。

スパイスが香る、トマトが活きている、たまねぎがコクを生んでいる。カレーのトライアタックや〜

 具材のチキンも、なかなかよい。大きめ(コンビニのカレーにしては、ですが)のサイズで3個入っており、食感も悪くない。もっとたくさんほしいという声もありましょうが、550円のカレーの具なら、十分に合格点を出せるものです。

チキンもまあまあのサイズ感。コンビニのカレーなら全然OKでしょう

 ちなみに、辛さはどうでしょう。しっかりと辛味はあるものの、辛党ではない筆者でさえも「辛い!」と舌がしびれるほどではない。なので、激辛を期待すると「ありゃ?」と思うかもしれません。その点では、辛さではなく、味のまとまりで食べさせるカレーといえます。

 そう、まとまりがよいのです。コンビニのカレーにありがちな水っぽい感じや、辛さを押し出しすぎてむしろしょっぱくなってしまうバランスの悪さなどが、まったくない。これが550円(コンビニの弁当としては普通の価格といってよいでしょう)なのは、かなりのものだと思います。

 というか、550円で食べられるカレーとしては、相当にハイレベル、すごすぎる……と評してもよいのではないでしょうか。

 筆者はたとえば松屋の「ごろごろ煮込みチキンカレー」などには称賛を惜しまない人間ですが、あれは「他に類を見ないおいしさ」なのではなくて、「価格と入手性のよさ(店舗の多さ、提供の速さ)に対してクオリティーが高い」ところがすばらしいのです。40円値上げされましたが。

 チキンカラヒカレーにもおなじことが言えるかと。550円という価格、セブン-イレブンで売られているという入手性のよさ。さらにカレーとしての完成度が高いとなれば、ケチをつけるところがない。

お近くのセブン-イレブンに(マスクをして)ダッシュ(手洗いうがいを忘れずに)!

 これを週7で食べるかどうかはわからないですし、カレー好きが100人いたら100人が納得するかは断言できないところ。でも、個人的には週3でもぜんぜんイケますし(実際に週に3回食べました)、カレー好きの8〜9割は(550円でコンビニで買えるという点も加味すれば)納得できるクオリティーではないでしょうか。

 アスキー編集部は代々カレー好きが多く、その末席にいる者として下手なものはオススメできないな……という気持ちがあるのですが、すくなくともこのチキンカラヒカレーに関しては「食べてほしい」と胸を張って言えます。いや、大したものです。


モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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