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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第138回

アップルがHomePodの製造を終える一方、アマゾンとグーグルのスマートスピーカーはどう進化したか

2021年04月02日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●睡眠計測できるNest Hub

 最近のスマートスピーカー事情でさらに驚かされるのが、Google Nest Hubの最新モデルです。同社のスマートフォン、Pixel 4に初めて搭載されたSoliレーダーを採用し、人の動きを検出することができる機能を導入しました。Motion Senseに用いられているのがSoliです。

 Soliレーダーの60GHz帯を用いると、ミリ単位の動きを検出することができるようになります。Nest Hubでは、声ではなくジェスチャーで操作できる新しい操作方法の導入に加えて、ベッドルームに置くと睡眠計測を実現できるようになりました。

 体の動きを細かく検出できるため、呼吸の状態も測ることができます。また室温センサーも搭載しているため、部屋の温度と眠りの質の関係も分析。さらにそもそも音声デバイスだった特性を生かし、いびきや咳も計測し、眠りの質の評価に活用する徹底ぶりです。

 とにかく体に何も装着しなくて良いため、睡眠計測のデバイスとしては「これが正解」という技術に発展したのではないでしょうか。複数人の睡眠計測など、実際のライフスタイルの中での課題も解決されていくことになるでしょう。

 こうした発展を遂げているスマートスピーカーの世界に対し、AppleはHomePod miniを活用して、どのように優位性を発揮していこうとしているのか、考えます。(続く)

 

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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