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「INNOVATION LEAGUE コンテスト」の受賞者がスポーツ庁に集結

スポーツの可能性拡大を 先鋭4社が室伏長官とガッツリ約束

2021年03月23日 11時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP 撮影●曽根田元

提供: SPORTS TECH TOKYO

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コロナ禍で苦しむ学生アスリートを一人でも多く救う

 「パイオニア賞」は、「一般社団法人スポーツを止めるな」による「スポーツを止めるな」が受賞した。同賞は、スポーツ界が直面する困難に挑み、乗り越えようとする取り組みを表彰するもの。

 同プロジェクトは、これまでに、安全なクローズドの環境で自身のプレー動画を発信できるプレーアピールシステム「HANDS UP」の開発(2021年1月に提供開始)。トップアスリートによる解説と実況を学生にプレゼントする「青春の宝プログラム」、アスリートによるリモート教育プログラムを実施。こうしたプレー機会を失った学生アスリートの支援活動が評価されての受賞となった。

代表理事の野澤武史氏

 2020年にSNS上での活動からスタートした同プロジェクトは、野澤武史代表理事と最上紘太共同代表が発起した「#ラグビーを止めるな」という活動からスタートした。当時、新型コロナの影響でラグビーの高校選抜大会が中止に。その上、プレーを披露する場がなくなったことで、進学先がなかなか決まらないという事態に陥った。そこで、野澤は大学時代の同期である最上氏と相談し、「#ラグビーを止めるな」という高校生ラガーを救うSNSプロジェクトを行なったという。

 この活動が大きな反響を呼び、続々と賛同者が集まる。ラグビーだけでなく、プレー機会を失った学生アスリートをサポートする「スポーツを止めるな」の活動がスタートした。SNS上での活動に加え、TBSではミニ番組「スポーツを止めるな」もスタート。まだ発足から半年ながら、国際会議への参加など、その活動はグローバルなものへと拡大している。

 野澤代表は、「競技の垣根を越えて多くのアスリートの賛同を得られたことが大きい」と話す。スポーツ界にも「競技の壁」はあり、なかなか他競技のアスリートと交流する機会はないという。そんな中で、「学生のために」という思いの下、その壁を打ち破って連携できたことは大きな収穫だったのこと。

最上紘太共同代表理事

 また、コロナ禍の影響でやむを得ず引退した選手の「思い出の試合」に、トップアスリートによる解説と実況を収録してプレゼントする「青春の宝プロジェクト」も、「印象深かった」と野澤氏は語る。「青春の宝の映像を上映した後、引退したはずの3年生が復帰し、秋の大会を戦った。そこで終わらずにチャレンジしようとする彼らの態度変容はうれしかった」とも。

 現状の課題について、最上氏は「我々の活動はボランティアのため、メンバーをどう増やしていくか、またモチベーションをどう維持するか。さらには、活動を学生にしっかり届けることも大きな課題」と話した。そのためにもメディアを通じた情報発信と地道な学校周りの両面から活動を積極的に実施するとしている。

「1252 プロジェクト」を担当する伊藤華英理事

 現在は「HANDS UP」、「青春の宝」、「アスリートによる教育プログラム」という3つの柱で活動を行なっている同団体だが、教育プログラムにおける新たな柱として「1252 プロジェクト」を発表した。これは、女子学生アスリートが抱える問題に対し、トップアスリートの経験や専門的・科学的知見をもって向き合う教育・情報発信プロジェクトだ。「生理について相談する先がない。正しい情報がない」と感じている女子学生アスリートや、指導する側の監督やコーチ・先生方に向け、授業やセミナー型の情報発信を行なう。活動を行なう伊藤華英氏は、「女子学生自身が自分の体のことを正しく理解するだけでなく、指導する側への理解にもつながれば」と話す。

 室伏長官も元アスリートということもあり、同団体の活動を高く評価している。新型コロナの感染がまだ収まらぬ状況にあるだけに、困難に直面する学生を一人でも多く救うためにも、活動の拡大や賛同者の増加が求められる。

 「INNOVATION LEAGUE」のデモデイ(成果発表および表彰式)で室伏長官は「ここがゴールではなくスタート」と語った。この言葉どおり、今後どれだけ可能性を広げていくのかが重要だ。受賞企業のさらなる活躍に期待するとともに、こうした先鋭的取り組みから刺激を受け、次のアイデアや取り組みが生まれてくることも楽しみだ。

(提供:SPORTS TECH TOKYO)

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