日本の中堅中小企業はIT化が遅れている
だが、岡社長が気にしていることがある。それは、日本の中堅中小企業のIT化の遅れだ。
アジア8カ国、各国200社のCEOを対象に実施した調査では、「コロナ禍において、デジタル化が事業の成功の鍵になるか」という質問に対して、「成功の最大の鍵になる」と考えている企業の比率は、インドやタイ、インドネシアでは75%。アジア平均でも59%となっているが、日本は34%に留まる。
「日本では、コロナをきっかけに事業戦略を練り直すチャンスと見ている企業が少ない。別の調査では、デジタル化の鍵になると回答した企業の56%が、市場よりも高い成長を遂げている。デジタルを使って、企業の強みを高めることができることを示しており、デジタルを活用することで、パンデミックの状況のなかでも、企業の成長につなげる材料がある。日本HPにとって、中小企業は最も大事なユーザーである。中小企業を元気にすることが、日本を元気にすることにつながる」
日本では99%以上が中堅中小企業であり、働く人の7割以上を占める。
「中小企業がどう成長するかが、それぞれの国の強さの差になる。いまは、テレワークやテクノロジーを使いこなしている成長している企業との格差が生まれはじめている。また、在宅勤務は一時的なものではなく、恒久的なものになる。中堅中小企業のユーザーに対して、デバイスやセキュリティ、サービス&サポートを適切に組み合わせ、手頃な月額コストで提供することで、容易に最高のテクノロジーを使用できるように支援したい」と語る。
日本HPでは、製品、サービス、月額支払いのファイナンスをセットにしたDaaS(Device as a Service)への取り組みを加速する考えを示す。これも、中堅中小企業が、新たな働き方を支援する環境の導入、運用をしやすくする提案のひとつになる。
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