小特集・格安ロボット掃除機 第1回

2万7900円でカメラセンサーつきロボット掃除機が買えるってすごいですね「ILIFE A9」

　アスキー家事育児担当の盛田諒ですこんにちは。12月に赤ちゃんが生まれ、めでたく3歳児と0歳児の保護者となりました。おかげで家事は限界を迎え、そろそろロボット掃除機でも買うかと検討を始めています。ただしこのご時世おサイフに余裕はなく、予算はせいぜい3万円台といったところ。

　ですが幸い、いまロボット掃除機業界はスマホと同じで格安ブランドが花盛り。主要部品であるチップとセンサーの価格がこなれてきたのか、なんと2〜3万円台でマッピング機能つきの高性能モデルが手に入るようになりました。ロボット業界のiPhoneにあたるルンバはマッピング機能がないエントリークラスの「e5」でも実売5万円弱だってのにびっくりですよ。

　なぜマッピング機能が大事かといえば、複数の部屋を掃除するとき使うから。1〜2部屋ならシンプルなランダム走行や矩形走行でも対応できますが、複雑な間取りの部屋を掃除すると掃除の抜け漏れが出がちになります。そのときカメラやレーザーで地図を作り、自分がいま家のどこまで掃除してきたか知ることで、ロボットはすべての部屋をくまなく掃除できるようになるというわけです。

　このマッピング機能、一昔前まで大手の高級品にしかついていませんでしたが、ここ数年で中堅企業やOEMブランド、さらには深セン系のベンチャーなども採用するようになってきて、ネットでロボット掃除機を探すと聞きおぼえのないブランドがずらずら並ぶようになりました。

　マッピング機能がついて2〜3万円台の格安ロボット掃除機にはどんなブランドがあり、実力はどんなもので、そして子育て中の私が買うべきはどれなのか。主要な機種を実際に試していきます。

●2万7900円の多機能モデル

ILIFE A9
実売価格 2万7900円
アイライフ・ジャパン
https://www.amazon.co.jp/dp/B07YCP4NB7/

　トップバッターはILIFE（アイライフ）。格安ロボット掃除機の中では知られた存在ですが、量販店ではあまり見かけないブランドです。

　中国深センにある智意科技（チイテクノロジー）を中心としたグループ企業のブランドで、日本では港区の智意電器が東京本社。2010年頃からODM/OEMとしてロボット掃除機を作ってきた開発会社で、実は某トップブランドのエントリーモデルなども手がけています。2014年に自社ブランドを立ち上げ、日本では2016年から展開を始めました。「ロボット掃除機を初めて使うハードルを下げたい」という理念でエントリーからミッドレンジにあたる製品を展開している、まさに「元祖格安ロボット掃除機」と言うべきブランドです。

　そんなILIFEが2019年から国内展開している上位モデルが「ILIFE A9」。上位とはいえ3万円以下ですが、カメラセンサーつき、侵入禁止エリアを作る仮想壁ツールつき、遠心分離式のダストボックス搭載、段差2cm乗り越え可能という多機能モデルです。カメラセンサーや遠心分離機構などの機能を省いた代わりに価格が安い「ILIFE A7」という下位機種もアマゾンでは人気ですね。

天面のボタンはスタートボタンのみ

サイドブラシは2つあり、ブラシの毛も長い

2万円台ながらカメラセンサーつきでSLAM対応