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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第691回

iPhone 12 Pro Maxの望遠は猫に警戒されずに撮影するときに便利

2020年12月08日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家 編集●ASCII

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一瞬のタイミングを逃さないiPhone 12 Pro Max。2.5xの望遠カメラが猫撮りに活躍しております。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

iPhone 12 Pro Maxの2.5倍望遠が
猫撮影に便利すぎる

 iPhone 12 Pro Maxを手にして1ヵ月近くにならんとしてるわけで、それだけ毎日使っていれば思うところも色々出てくるわけで、一番言いたいのは「デカいのはすぐ慣れて当たり前になる」ってこと。

 ここ数年、iPhone XからiPhone 11 Proまで……つまりMaxサイズは避けていたからはじめてiPhone 12 Pro Maxを手にした時は「デカッ」と思ったけど、1週間もしたらもうそれが当たり前。慣れてみると携帯時も操作時もたいして困らないし、画面が大きい分写真を撮ったり見たりしやすい。むしろその大きさに一喜一憂することはないのだなと思う。どのサイズのを使っても、すぐそれが当たり前になるのだ。

 ただ、以前のモデルより角張ったのはちょっとイヤ。持った時、角が手に当たってあまり気持ち良くない。今の角張ったデザインがいいという声をよく聞くけど、そこは賛同しない。もう一つ、望遠カメラがそれまでの2xから2.5xにちょっと増えたのは意外に効くってこと。

昼寝してるうちの猫を2.5x望遠で狙ってるの図。猫を見つけると黄色い枠が出て教えてくれてちゃんと猫にピントが合うのも素晴らしい

 望遠カメラは広角カメラに比べるとセンサーサイズが小さい分性能はちょっと劣るのだけど、昼間なら十分なクオリティーで撮れるのだ。というわけで、謎のポーズで昼寝してたうちの猫を。謎すぎる。

ソファーの背に乗って寝てたんだけど、いくらなんでもこのポーズは謎すぎる。ポーズに名前をつけたいくらい。何がしたかったんだ? 2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 では外へ出よう。65mm相当の2.5x望遠カメラはなかなかの威力なのだ。ちょっとした住宅街を散歩してたら塀の上でくつろいでるハチワレ発見。ちょうど日が当たる場所だったので、日向ぼっこしてたのだ。

 いきなりカメラは向けず、ちょっと見つめあって「どのくらいの距離まで近寄らせてくれるかな」って探る。多分、互いに探ってる。で、2.5xの望遠カメラだとちょうど良い距離だけど、広角カメラで撮るにはちょっと遠いあたりが互いに一致する距離感だなってことになって、まずはちょっと上から1枚。

塀の上のハチワレ。気温が下がってくると日向で出会う率が上がって楽しい。日差しを浴びてキリッとしてる。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 猫って同じ場所にいても、撮る側のカメラの高さで全然違う写真になる。2枚目はちょっと低い位置から、ポートレートモードを使ってみた。横にちょっとはみ出てる後ろ足が可愛い。

ポートレートモードにしてちょっと低い位置から。後ろが大きくボケてるのがわかるかと思う。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 冒頭写真もこの猫だ。このあと、小さな物置の上に寝てたハチワレ(きっと兄弟だ)のところへ塀の上のハチワレがそっと近づいていったのである。そしたら寝てた方も起き上がり、お、ちょっとラブリーな瞬間が撮れるかもと狙ってたら見事にこのカットが。

 また別の日、別の場所。歩いてたら遠くで猫らしき鳴き声がする。行き先とは逆方向だったけど猫の声がしては無視できない。声のする方へ近づいてみると、民家のガレージでひっきりなしに鳴いている猫が。

 iPhoneのカメラってシャッタータイムラグ(ボタンを押してから実際に撮影されるまでのタイムラグ)がほとんどないので、鳴いた瞬間の顔を撮るのも問題なし。

猫の鳴き声がしたので音を頼りに探ってみると、鳴き続けてるハチワレがそこに。口を開いたタイミングでしっかり撮れるのもありがたいところ。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 このハチワレ、ずっと鳴いてるのである。近づいていくと、ちょっとこっちへ興味を示す。なんか食べ物くれと言ってるんだろうなあ。でもそういうわけにもいかないので挨拶だけ。これは広角カメラで撮影。近寄ってきたのでパッと切り替えたのだ。

グッと近寄ったら向こうもこっちへきたので広角カメラで。鳴いているのが良くわかる。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 ハチワレが続いたので最後はチャトラと行こう。とある大きな団地の中の広場。ベンチの間に猫の姿を見つけたのである。お、と思ってしゃがんでiPhone 12 Pro Maxを望遠カメラにして撮ると、こっちへ近寄ってくるではないか。

チャトラを見つけたときの写真。ベンチの隙間に姿が見えたのだ。影にいるので猫が暗めだけど。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

なんとこちらへ歩いてくるではないか。猫が構図のどこにいても猫AFが仕事してピントを合わせてくれるので安心。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 何を求めてこっちへくるのかなとワクワクして待ってると木の根本にやってきて、まったく違う方を気にしてる。

目の前にある木の根元へきたら、姿勢をちょっと低くして「狙う」態勢に。もはやわたしがすぐ近くにいることなんかどうでもいいって感じ。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 チャトラの視線を追うと……、そこには鳩がいたのであった。どうやら鳩が気になってやってきただけらしい。なあんだ。まあ、鳩を見つめるだけで何もしなかったのだけど。

 このチャトラ、甘えるでもなく逃げるでもなく、ただ人がすぐ近くにいてもそれが当たり前のように振舞ってるので、真横からアップで撮らせてもらった。グッと近寄って撮る時は広角カメラの出番。こっちの方が画質もいいし、近寄って撮ると背景もそれなりにボケてくれるのだ。

広角カメラに切り替えて真横から。キリッとした毛の1本1本までちゃんと写ってるのが素晴らしい。キリッと感はiPhone 11より上がってる。2020年11月 アップル iPhone 12 Pro Max

 元々ほんのちょっとした外出でもデジタル一眼をバッグに入れて持っていくのが当たり前の習慣になっていたんだけれども、iPhone 12 Pro Maxを手にしてからというもの、軽装で行きたい時はiPhone 12 Pro Maxだけでいいやってことが増えてきた。

 そりゃ、画質でいえばデジタル一眼の方が上だし、階調や背景のボケのナチュラルさは全然違うのだけど、iPhoneの方がとっさにサッと出せるし比較的猫に警戒されにくいから、ここまでクオリティーが安定してくると頼りになるのだよねえ。ちゃんと猫にピントもあってくれるし。

 良いカメラに育ってくれたもんです。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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