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SUPER GT 2020 GT300観戦レポート 第7回

前戦の悪夢? 幸運? 再び! SUPER GT第7戦もてぎもセーフティーカーで明暗が別れた

2020年11月17日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 写真●加藤智充 編集●ASCII

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予選は61号車BRZが快走を見せる!

 コロナ禍により変則スケジュールを余儀なくされた今年のSUPER GTシリーズも第7戦。最終戦を前にした大一番が11月7~8日、今シーズン2度目となるツインリンクもてぎで開催された。例年250kmと最短距離で行なわれるが、今大会はほかのレースにならって300kmに統一された。はたしてGT300クラスは誰が優勝したのか?

ポールポジションの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT

フロントロウに着いた244号車 たかのこの湯 RC F GT3

ポールを獲得した61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内秀樹選手と井口卓人選手

 ポールポジションは、前戦SC(セーフティーカー)出動で泣いた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT。その隣には244号車 たかのこの湯 RC F GT3が並んだ。

1コーナーへ侵入するGT300クラスのマシンたち

スタート直後に4番手へ上がった360号車 RUNUP RIVAUX GT-R

順調に後続を突き放すBRZだったが……

 定刻13時にセーフティーカー先導のもとフォーメーションラップが開始。セーフティーカーがピットロードに入りグリーンシグナルが点灯。300kmに渡る高速バトルの幕があけた。ホールショットを決めたのは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝選手。以下、244号車 たかのこの湯 RC F GT3の久保凜太郎選手、11号車 GAINER TANAX GT-Rの安田裕信選手と続く。後方では5番手スタートの360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rの大滝拓也選手が、25号車 HOPPY Porscheの佐藤公哉選手をパスして4位に浮上した。

トップを快走する61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内

 2周目、244号車 たかのこの湯 RC F GT3の久保凜太郎が車両交換によるドライブスルーペナルティー消化のため後退(第6戦でクラッシュし、今大会は別車両での参戦だったため)。上位は61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内、11号車 GAINER TANAX GT-Rの安田、360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rの大滝が4番手以下に大差をつけて約2秒間隔で牽制しあう。

ジャンプアップをはたし、4位争いに入る55号車ARTA NSX GT3の大湯

ポジションを落としていく25号車HOPPY Porscheの佐藤

 一方、4番手争いは熾烈を極める。7番手スタートの56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rの藤波清斗選手、12番手スタートの55号車 ARTA NSX GT3の大湯都史樹選手、4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也選手、25号車 HOPPY Porscheの佐藤らが0.5秒以内でドッグファイトを展開。まず4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡が、9周目のメインストレートで25号車 HOPPY Porscheの佐藤を料理し4番手へ浮上。55号車 ARTA NSX GT3の大湯も続き、25号車HOPPY Porscheは2つポジションを落とす。

2番手までに上がった360号車 RUNUP RIVAUX GT-R

 トップの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの山内は完全逃げモード。2位以下に3秒の差をつけて独走態勢に入る。また、17周目にGT-R同士のバトルが勃発。360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rの大滝が11号車 GAINER TANAX GT-Rを抜いて2位に浮上する。

今回、早めのピットインが功を奏した4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG

 ピットが慌ただしくなったのは、レースの1/3を終えたあたりから。最初にピットに飛び込んだのは4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGと56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R。トップ3はピットインせず周回を重ねる。

トップを快走するも、またしてもSCのタイミングで勝機を逃した61号車SUBARU BRZ R&D SPORT

またしてもセーフティーカーで
天国と地獄に別れる展開に

 23周目。V字コーナーのコースサイドにストップした車両があり、それを回収するためにSCが出動。トップを快走していた61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはピットイン済みのマシンの後ろになってしまうため、前戦の悪夢が再来した。レース27周目にリスタートし、このタイミングで多くのマシンがピットへなだれ込んた。トップだった61号車は28周目にピットイン。ステアリングを井口選手に託して4番手で復帰するが、先にタイヤが温まっていた後続に抜かれて6番手まで順位を下げてしまう。

全車ピットインを終えた段階でトップに立った4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝選手

 全車ピット作業を終えた32周目の段階でトップは予選10番手からスタートした4号車グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝選手。以下、56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手、18号車 UPGARAGE NSX GT3の松浦孝亮選手と続く。

トップ争いを繰り広げる4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口と56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのオリベイラ

 その周の90度コーナーで56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのオリベイラが、トップの4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGの谷口をキャッチ。両者はメインストレートで軽く接触するサイドバイサイドのドッグファイトを見せ観客を沸かせる。そして2コーナーの出口でオリベイラが先に立ち上がり勝負が決する。2台はそのまま逃げ続け3位以下に1分近い大差をつける。

気づけば上位争いに食い込んできた、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田選手

 その頃、後方では3位の18号車 UPGARAGE NSX GT3が、SC中にピット作業を行なったとしてドライブスルーペナルティーが課せられ戦線離脱。代わりに3位に上がったのが52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田広樹選手だ。だが吉田の背後には61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTの井口、11号車GAINER TANAX GT-Rの平中克幸選手が追い上げ、さらに360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rの青木孝行選手が虎視眈々と隙をうかがっていた。

 55周目。井口と平中が交錯。61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTはスピンを喫してしまい6番手に後退。そのスキを縫って360号車RUNUP RIVAUX GT-Rの青木が4位にジャンプアップ。

 さらに最終ラップ。青木は4位を走る52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTの吉田に接近。そしてメインストレートでオーバーテイクに成功。

優勝した56号車リアライズ 日産自動車大学校 GT-R

ヨコハマ勢が表彰台を独占!

 ここでチェッカーが振られ、トップは56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、2番手に4号車 グッドスマイル 初音ミク AMG、そして3位に360号車 RUNUP RIVAUX GT-Rと、すべてヨコハマタイヤが表彰台に並んだ形となった。

レース後にペナルティーを受けた11号車 GAINER TANAX GT-R

 なお、5位入賞をはたした11号車 GAINER TANAX GT-Rだが、61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTとの接触が危険行為とし、決勝結果に30秒加算のペナルティが課せられ9位に降格した。

シリーズランキングのトップに立った56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R

 この結果、シリーズランキングは56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが56ポイントでトップ。2位は51ポイントで65号車 LEON PYRAMID AMG、3位に43ポイントで11号車 GAINER TANAX GT-Rと続く。

 次回は遂に最終戦。その舞台は今年4回目となる富士スピードウェイとなる。ウエイトハンディなしでのレースで、波乱の2020シーズンを制するのは誰か? そしてチャンピオンとなるチームは? 11月29日に行われる決勝レースから目が離せそうにない!

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