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独自CPU「M1」で処理性能&バッテリー駆動時間が大幅向上 新Mac特集 第8回

アップル「M1」版Macは「触るまでなにもわからない」が、それでも見えてきたこと

2020年11月11日 17時40分更新

文● 西田 宗千佳 編集●飯島 恵里子/ASCII

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Macのために最適化設計、メインメモリーの量をどう判断するか

 そもそも、M1とはどんなチップなのか?

 コアアーキテクチャとしては、アップルが「A14 Bionic」で使っているものと同じ、と考えていい。ただし、M1はあくまでMacのために作ったプロセッサーなので、いくつかの要素が異なる。

 まず、「仮想化」に対応している。スマホやタブレットでは不要だが、Macならば必要な要素だ。

 そして、パフォーマンスが向上している。これは、iPhone向けの「A12 Bionic」とiPad Pro向けの「A12X Bionic」の違いに近い。高性能コアが2つから4つに、GPUコアが4つから8つに増えた。

 ただそれだけなく、CPUコアのクロックが上がり、GPUコアのテクスチャー対応が拡張され、GPUから見た場合のメモリーバンド幅も従来比で倍に向上しているという。結果的に、特にGPU性能が劇的に上がるわけだ。

 M1版MacではiPadアプリも動作することになっているが、A14 BionicやA12Z Bionicよりずっと高性能なので、「世界一iPadアプリが速く動くのはM1版Mac」というちょっと奇妙なことが起きる。

 もう一つの違いはメモリー周り。8GBもしくは16GBのメモリーを高帯域接続し、プロセッサーの中に混載しているのだが、この結果として、メインメモリーの量が決まっている。

 これはあくまで予測だが、より高パフォーマンスのMac、すなわちiMacや16インチ版MacBook Pro、MacProなどのApple Silicon版を作るのであれば、M1とは違う高性能プロセッサーをまた作るか、M1を多数搭載するかの2択になるだろう。だとすると、M1を多数搭載した際に必要な機構が必要。NUMA構造で複数チップでのメモリー共有を行うのではないか、と推察できる。

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