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iPhone 12、ASCII筆者はこう思った 第14回

新iPhone 12シリーズに「楽天モバイル」がなくガッカリ【石川 温】

2020年10月15日 19時40分更新

文● 石川 温 編集●飯島 恵里子/ASCII

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機種変更に保守的な層に楽天モバイル「eSIM」という武器を

 新規参入事業者である楽天モバイルが成功するには、iPhoneの取り扱いは絶対条件ではないか。

 スマホユーザー、特に日本市場の人たちは機種変更する際「保守的」になりやすい。「同じメーカーじゃないと操作性が変わって不安」と言いながら、同じメーカーを使い続ける傾向が強いのだ。Androidなら、どれも似たようなものという感覚はなく「Xperiaを使っているから、次もXperia」と言って指名買いしていく。

 楽天モバイルの場合、Rakuten MiniやRakuten BIGなどオリジナリティのあるスマホを開発するは注目を浴びて結構なことだが、3キャリアで扱われているメーカーと同じブランドを積極的に扱わないことには、保守的なユーザーを取り込むのが難しくなる。そこで必要となるのがiPhoneだ。

 iPhoneがあれば、3キャリアのユーザー数も大きい。iCloudにデータが保管されており、キャリアの移行もかなり楽だ。SIMフリーという選択肢もあるが、これまでキャリアで、しかも分割でスマホを購入してきた人がいきなり、SIMフリーを一括で購入するのはハードルが高い。

 楽天モバイルが、正式にiPhoneを取り扱えるようになれば、動作保証もしっかりするし、何より他キャリアから移行しやすいのは間違いない。

 なんと言っても、楽天モバイルには「eSIM」という武器がある。3キャリアはeSIMに対して、かなり消極的なので「eSIM=楽天モバイル」というイメージがつくぐらいにeSIMで攻めてもらいたいものだ。

 iPhone XR以降を使っている3キャリアユーザーに対して、eSIMをばらまき、楽天モバイルをお試しで1年間、無料で使ってもらえばいいのではないか。いきなり楽天モバイルにメイン回線をMNPするのは勇気がいるが、メイン回線を3キャリアで使いつつ、eSIMで楽天モバイルをお試し的にチャレンジするのであれば、ハードルは一気に低くなる。

 果たして、来年までに楽天モバイルはiPhoneを取り扱えるようになるのか。それとも来年のスペシャルイベントで華々しく楽天モバイルがデビューするのか。

 早くRakuten UN-LIMIT Vを、楽天モバイルが販売するiPhoneで使ってみたいものだ。

石川 温

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

 

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