■MVNOという選択肢は本当にあるか
政府による値下げ要請に対して、大手キャリアは「MVNOなら十分に安い」と反論することがあります。しかし消費者団体からは、MVNOへの乗り換えはそう簡単ではないとの意見が出ています。
MVNOへの移行が進まない背景には、利用者間にリテラシーや情報の格差があることは以前から指摘されています。たとえば通信の品質について、地方や山間部、離島でも問題なく使えることを理解するには一定の知識が必要です。
住んでいる地域によっては、直接触れる機会が限られています。MVNOを取り扱う店舗はあってもモックとパンフレットしか置いていないなど、選択肢が豊富な都市部との差は大きいのです。
ブランドイメージが「格安」に寄りすぎているのも気になります。「コスパが良い」を通り越して「貧しい」イメージがついてしまうと、世間体を気にしてMVNOへの移行をためらう家庭もあるのではないでしょうか。
資金力のある大手キャリア系列のMVNOならこうした状況を打開できる可能性はあるものの、上位のブランドとの棲み分けもあり、低価格路線にとどまっています。ここはひとつ、首相や総務大臣が率先してMVNOに移行するパフォーマンスを見たいところです。
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