このページの本文へ

T教授の「戦略的衝動買い」 第599回

新潟県燕三条の挽物屋と地場のプロダクトデザイナーが創る「ペンジャケット」を試す

2020年09月17日 12時00分更新

文● T教授 撮影●T教授 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

プラスティック製の万年筆ペン先を目指して開発されたプラマンのペン先はきわめてユニークな形状だが美しい。ペン先の先端でインクが染みている部分が「細杆体」と呼ばれる芯だ。周囲の白い樹脂材で覆われペン先のように三角形にカット、補強されている

 替え芯は世界のベストセラーで愛用ユーザの多いトラディオ・プラマンの替え芯を使う。トラディオ・プラマンは、プラスティックペン先の万年筆を目指して、長い年月をかけて開発され1980年に登場した。

 使い捨てのプラマンに続き、交換できるインクカートリッジ方式に変更、芯交換することで長く使えることを目指して1986年に登場したのが"トラディオ・プラマン"だ。安定供給の見込める替え芯を使うことでオリジナルのトラディオ・プラマン以外に世界各国でカラフルな外装デザインを採用したユニークなトラディオ・プラマンも登場した。

「細杆体」を上下のくちばしのような樹脂材が加えた感じになっている。くちばしの上下の前方への出っ張りが敢えて不均衡になっていることで「細杆体」のしなう大きさが異なり、バリエーションのある筆記が可能だ

 プラマンやトラディオ・プラマンはそのペン先構造がきわめてユニークだ。「細杆体」と呼ばれる細い樹脂製の棒状のものを束ねた芯のごくわずかな隙間を利用してインクをペン先、そして筆記面に送るシンプルかつユニークな仕組みを採用している。

 細杆体はきわめて細く単体では筆記時の筆圧に耐えにくいので、周囲をホルダーと呼ばれる樹脂製の添え板でサンドイッチして補強し、万年筆のペン先のように三角形に削り出したものだ。

 補強のための上下の2枚の板状の添え板は前方への出っ張り方が異なり、そのアンバランスな補強により、三角形の細杆体は筆記時の筆圧の加え方によって、そのしなり方をユーザがコントロールして、細い線から太い線までユーザが自由に描くことを可能にしている。

 万年筆ユーザも時にはペン先を裏持ちにして極端に細い線や文字を描くことが多いが、プラマンはペン先を360度どこにでも回転、同時に筆圧をお好みで加え、ペン先を自由自在に操り、時には毛筆に近い"とめ、はね、はらい"的表現も可能としている。これがプラマンの超人気の要因の一つだ。

 トラディオ・プラマンの替え芯でスタートしたペンジャケットプロジェクトも、予想通り、いろいろな人の意見を取り込むと、その過程でごく一般的なボールペン替え芯も使いたいという声が当たり前のように出てきたようだ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン