RTX 3080は4K、RTX 3070はWQHDがターゲット
GeForce RTX 3090で夢の8Kゲーミングは実現するのか?HDMI 2.1とDLSSの役目を解説
2020年09月09日 11時00分更新
8K=フルHDの16倍へ挑むためのRTX 3090
では、GeForce RTX 3080の上に位置付けられるGeForce RTX 3090は誰のための製品か? と言えば、4Kでは我慢できないゲーマーや、4K/8Kの動画編集を行なうクリエイターのための製品だ。VRAM搭載量はTITAN RTXと同じ24GBだが、GDDR6Xを採用している。CUDAコアはHPC向けのGA100(CUDAコア8192基)よりさらに多い10496基という前代未聞の規模を持った“Giant Ampere”だ。
8Kという解像度は4Kの倍のように見えてしまうが、画面の画素数はフルHDの16倍にもなる。さらに、8Kディスプレーにどう接続するかも問題になる。
まず8Kディスプレー環境についてだが、GeForce RTX 30シリーズにHDMI 2.1対応を盛り込み、8K TVをターゲットにすることで選択肢と使い勝手を選択した。性能面では非可逆の映像圧縮技術「DSC(Display Stream Compression)」ありで16K@60fpsまで対応するDisplayPort 2.0のほうが優秀だが、まだディスプレーが市場に出ていない。だが、HDMI 2.1ならシャープの「AQUOS 8K」をはじめ複数メーカーから製品が流通している。さらに、HDMIケーブル1本による8K映像伝送が解禁になったし、ハイエンド志向のユーザーを8K環境に引き上げるには絶好の機会だろう。
次に負荷の問題だが、いくらCUDAコアを1万基以上載せても、8Kを素でレンダリングするのは難しい。8Kすべてのピクセルに対して、従来通りのやり方で1ドットずつ計算するのは無駄の極みなのだ。
ゆえに、8Kゲーミング環境を成立させるためには「DLSS」の存在が不可欠とNVIDIAは考えている。そこで、8Kのための新しいAIモデルを開発し、WQHDのレンダリングを8K相当の映像に再構成する「9X AIスーパーレゾリューション」を開発して実装している。ただのアップスケーラーだと9倍拡大でディテールがボケボケになりそうなものだが、AIで処理することで、8Kの解像感に負けないシャープなディテールが得られるというものだ。これで前述の計算力の問題については回避できる。