8月22~23日の2日間、エビスサーキット(福島県二本松市)にて、ドリフト競技の国内最高峰「D1グランプリ」シリーズ第2戦・第3戦が開催されました。ASCII.jpが応援する「Team TOYO TIRES DRIFT」は、前戦で川畑選手が1位、藤野選手が3位と好成績を納めているだけに、その流れで連勝したいところです! はたして結果はいかに?
今年で20周年を迎えたD1グランプリ。エビスサーキット南コースは、そのD1グランプリが初開催された地であり、毎年欠かさず行なわれ、ファンの間では聖地として親しまれています。聖地ゆえに、日本に限らず世界中のドリフト選手が「一度は走ってみたい」とプライベートで訪れることも珍しくないそうです。
そんな人気の理由は、最終コーナーと呼ばれる右から左へ切り返す小さなシケインをジャンプぎみに飛び出し、コンクリートウォールすれすれをアクセル全開で抜けていくという特異なコースレイアウト。これは左コーナーのこう配がきついため、左側のタイヤが浮いてしまうのです。縁石の一部だけタイヤ痕が途切れるのはそのためで、いっぽう右側には加重がかかるため、路面が削れています。その飛び出しの速度は時速100km/hを超えることも。
着地後、わずかでもラインをはらんだり、フロントタイヤが逃げてしまうとコンクリートウォールの餌食に。F1のようなランオフエリアはありませんから、とてもスリリングです。実際今大会も何台かのマシンがクラッシュしていました。ジャンプをするということもあり、毎年エビス戦はサバイバルレースの様相となっています。
D1グランプリはコーナーごとの「速さと角度」を審査する競技
それではエビス大会を振り返る前に、簡単に競技の説明をしましょう。速さを追い求める他のモータースポーツと異なり、D1グランプリは速度だけでなく、ドリフト中の姿勢(角度や安定度)が求められます。大会当初は審査員の主観で採点されていましたが、現在ではDOSSと呼ばれる機械が用いられ、公平性が保たれています。コースはコーナーごとに審査区間(セクター)が区切られ、採点基準が明確化。さらに昨年から車両に一部が通過しなければならないゾーンが設けられ、不通過の場合は減点となります。必然的に走行ラインは限られますので、「審査員が描いたラインに対して、どれだけ忠実にドリフトをしながらコースを駆け抜けていくか」という技術を競う競技といえるでしょう。
エビスサーキットの場合、ジャンプ後のコンクリートウォール側と審査員席前コーナー(1コーナー)のアウト側、続く2コーナーのイン側にゾーンが設けられました。ドライバーはジャンプ後にマシンをコンクリートウォールに近づけなければならず、大変高度な技術が要求されます。
競技は単走と追走トーナメントの2種目で争われます。単走は参戦車両25台を抽選で4つのグループに分け、文字通り1台づつ走行。2回走行時の良い方の点数で25台を順位づけをし、上位16台が追走トーナメントに参加できる、いわば予選みたいなもの。ただ雨の際は、各グループの上位4台が通過というルールに変わりますので、グループ分けは重要なファクターとなります。グループ分けは選手自ら抽選に参加して行ないます。
そして追走トーナメントとは、2台が同時に走行し、先行する車両(以下、先行)に対して、後を追う車両(以下、後追い)がどれだけ接近できるかを争うもの。2台を入れ替えての2回走行し、DOSSのポイント+後追いの接近ポイントで優劣を決めます。D1GPのYoutubeチャンネルに、レース前に審査方法や採点方法を説明する動画がありますので、ご興味あればぜひご覧ください。
タイヤは大会期間中3セットまで使用可能。以前は何本でも使えたのですが、近年はドライバーにはライフコントロールを、メーカーにはハイグリップでありながら耐久性の高いタイヤ開発が求められるようになりました。タイヤはワンメイクではなく、SUPER GTのように様々なメーカーが参戦。我が国のトーヨータイヤのほか、バリノタイヤやサイルンタイヤ、リンロンタイヤ、グッドライドといった中国系メーカーが参戦しており、国産対中国のタイヤ戦争が勃発しています。
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