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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第221回

グーグルの新スマホ「Pixel 4a」、Pixel 4に匹敵するカメラで高コスパ

2020年08月13日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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性能はミドルクラスとしては高め

 性能面に目を移すと、チップセットにクアルコムのミドルハイクラス向け「Snapdragon 730G」を採用。RAMは6GB、ストレージは128GBと、ミドルクラスとしては比較的高めの性能を持っている。

 どの程度の性能を持つのかいくつかのゲームをプレイしてみたのだが、もっとも分かりやすい例として「PUBG Mobile」を挙げると、初期状態で画質設定が「HD」となっていた。「Snadragon 6xx」系ではその下の「標準」しか選べないことが多いことからチップセット性能の優位性が出ているが、ハイエンドモデルでは選択可能な1つ上の「HDR」までは上げることができなかった。やはりミドルとハイエンドの中間の性能という評価になりそうだ。

「PUBG Mobile」の画質設定を確認したところ。標準状態で「HD」が選択されており、ミドルクラスのモデルの中では高画質でのプレイが可能だ

可能な限り最高画質にしてPUBG Mobileをプレイ。フレーム落ちすることもなく快適なプレイが可能だ

 バッテリーは3140mAhと、4000mAh級を超えるバッテリーを搭載したスマートフォンが増えている現在では小さめだが、従来のミドルクラスの端末としては標準的な容量でもある。18Wの急速充電にも対応するが、低コスト化のためかPixel 4では対応していたワイヤレス充電には対応していない。

 通信部分に目を移すと、4Gのみの対応でSIMスロットは1つだが、eSIMを搭載していることから実質的にはデュアルSIM構造となっている。eSIMでどこまでのサービスをサポートしているかは不明だが、最近では国内でも徐々にeSIM対応サービスが増えつつあるあるだけに、有効活用したいところだ。

Pixel 4同様eSIMを搭載しており、QRコードの読み込みなどでeSIMの追加が可能だ

 ちなみにmicroSDスロットは搭載されていないので、ストレージの容量増設はできない。容量が気になるという人は、画質を落とせば容量無制限で利用できる「Googleフォト」など、Googleのクラウドサービスを有効活用するのがいいだろう。

最先端だけに利用できない音声文字変換

 もう1つ、Pixel 4aの大きなポイントとなるのはGoogleが提供する最新の機能やサービスの利用が可能なことだ。特に大きいのはアップデート保証で、Pixel 4aに搭載されているのはAndroid 10だが、最低3年間はOSとセキュリティのアップデートが保証されていることは、端末を長く使う上で大きなポイントといえるだろう。

 ただその一方で、日本語に対応していない機能がいくつかあるのは残念なところ。その代表的な機能となるのが、Pixel 4で「レコーダー」に搭載された音声文字変換機能で、現状では英語しか選択することができず日本語での利用ができない。

「レコーダー」の音声文字変換は英語以外の言語に変更することができない

 また、これは以前よりPixelシリーズに搭載されているのだが、音量キーを押すと現れる音量コントロール上でオン・オフができる「自動字幕起こし」も未だに日本語に対応していない。Pixel 4でも日本でモーションセンス機能が利用できるまで時間がかかったように、日本で最新機能を堪能できないのはやはり惜しいと感じてしまう。

 とはいえ、もちろんこれまで提供されている多くのサービスは利用可能だ。FeliCaにも対応しているので、「Google Pay」や「おサイフケータイ」でSuicaや楽天Edyなどの電子マネーが利用できるというのも、SIMフリースマートフォンとして見た場合は大きなメリットといえるだろう。

【まとめ】ライバルは新iPhone SE
5Gモデルの登場が悩ましい

 Pixel 4aの中身を見ていくと、ミドルクラスでもデザインやカメラの数などで高級感を打ち出す最近のスマートフォンとは明らかに一線を画しており、手頃な価格で快適な利用を実現する、グーグルらしい端末といえる。それだけにライバルとなるのは、他社のAndroid端末ではなくアップルの新「iPhone SE」なのではないか?とも感じる。

 チップセットの性能とカラーバリエーションではiPhone SEに譲るが、有機ELを採用した大画面のディスプレーや夜景に強いカメラなどはPixel 4aに軍配が上がる。OSのアップデートが保証されており、長く使えるという意味でもiPhone SEのよきライバルといえるのではないだろうか。

 ただ長く利用するという視点で見ると悩ましいのが、既に5G対応のPixel 4aの発売が、2020年後半に発売されると発表されていること。価格は6万円台と4G版より高くなるようだが、3年後には国内の5Gエリアもかなり広くなっていることが予想されるだけに、どちらを取るかは難しい選択といえるかもしれない。

  Pixel 4a Pixel 3a
(参考)
Pixel 4
(参考)
Pixel 4 XL
(参考)
価格(税込) 4万2900円 4万9500円~ 8万9980円~ 11万6600円~
ディスプレー 5.81型有機EL
(19.5:9)
5.6型有機EL
(18.5:9)
5.7型有機EL
(19:9)
6.3型有機EL
(19:9)
画面解像度 1080×2340 1080×2220 1080×2280 1440×3040
サイズ 69.4×144
×8.2mm
70.1×151.3
×8.2mm
68.8×147.1
×8.2mm
75.1×160.4
×8.2mm
重量 143g 147g 162g 193g
CPU Snapdragon
730G
2.2+1.8GHz
(オクタコア)
Snapdragon
670
2+1.7GHz
(オクタコア)
Snapdragon 855
2.84+1.78GHz
(オクタコア)
内蔵メモリー 6GB 4GB 6GB
内蔵ストレージ 128GB 64GB 64/128GB
OS Android 10 Android 9→10 Android 10
4G対応バンド 1/2/3/4/5/7/8
/12/13/17/18
/19/20/25/26
/28/38/39/40
/41/42/66
1/2/3/4/5/8
/12/13/17/18
/19/21/26
/28/38/41
1/2/3/4/5/7/8
/12/13/17/18/19/20
/21/25/26/28/38
/39/40/41/42/66
CA対応 ○(3CC) ○(3CC) ○(5CC)
無線LAN 802.11ac
(2.4/5GHz)
802.11ac
(2.4/5GHz)
802.11ac
(2.4/5GHz)
FeliCa
カメラ画素数 リア12.2メガ
/イン8メガ
リア12.2メガ
/イン8メガ
リア12.2メガ(標準)
+16メガ(望遠)
/イン8メガ
バッテリー容量 3140mAh 3000mAh 2800mAh 3700mAh
生体認証 ○(指紋) ○(指紋) ○(顔)
防水・防塵 × ×
SIM nanoSIM
+eSIM
nanoSIM nanoSIM+eSIM
USB端子 Type-C Type-C Type-C
カラバリ Just Black Just Black、Clearly White、Purple-ish Just Black、Clearly White、Oh So Orange

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