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肉食ナベコの「なんでも食べてみる」 第634回

13回目のリニューアルは和素材でコクを高めた

「モスバーガー」実は12回味が変わってた 次なる進化はテイクアウト意識

2020年07月08日 18時45分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

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モスといったら「モスバーガー」。味が変わりますよ。

 こんにちは。アスキーのモグモグ情報担当ナベコです。みなさん、モスバーガーお好きですか?

 モスバーガーの看板商品「モスバーガー」のミートソースが変わりますよ。リニューアルに際して開催された発表会に行ってきました。

 ハンバーガーチェーン「モスバーガー」は、定番商品「モスバーガー」に使用しているミートソースを7月16日からリニューアル。2017年7月以来の3年ぶりの刷新となります。

持ち帰って少しさめても、しっかりした味を楽しめる設計へ

実はこれまでに12回もリニューアルされていた。

 実はモスバーガーはこれまでに12回リニューアルされてきています。意外に感じるかもしれませんが、1972年の創業当初から看板メニューとして親しまれているモスバーガーは、およそ3年に1回くらいの頻度で時代のニーズに合わせて少しずつ改良されてきました。今回で13回目のリニューアル。

13回目のリニューアルは、テイクアウト需要も意識。価格は据え置きの税別343円。

 今回のリニューアルで特に意識したポイントのひとつは、持ち帰り・デリバリー需要の増加。

 モスフードサービス 執行役員 マーケティング本部長である安藤芳徳氏は新ソースの味覚設計についてこう語りました。

 「コロナ禍のこの時代、モスでは持ち帰り、デリバリーの割合が増えています。店内飲食の割合と引っ繰り返っている状態。食べていただく時間でいうと、店内飲食の場合はだいたい6分、7分。一方で、持ち帰りの場合、家に持って帰るまでに20分くらいかかるわけですから、ソースの具材感を増し、また深みとコクをさらに出すことで、20分経って少々さめてしまっても味がしっかりしている、そういう設計に変更しました(安藤氏)」

「煮つめた酢」「塩麹」「にがり」でコク深さや奥行きアップ

 発表会では、新旧のソースの味を食べ比べることができました。

白いカップが新ソース。黒が従来のソースです。

 最初に従来のミートソースを食べたところ、率直に「おいしい」。それはもう、モスバーガーのソースですからね。私も何回も食べたことある大好きな味です。

 次に、リニューアルしたミートソースを食べたところ「!!」。

旨味や奥行きが増し、食べ比べてみるとぜんぜん違う!

 最初に食べたミートソースも十分においしかったのに、さらに旨味がアップ! 食べた瞬間に“ぶわん”と口の中に芳醇なトマトの旨味が広がるんです。それでいて、キュッと酸味が締めるのが妙。全体的にコク深さ、奥行きがものすごく増したのがわかりました。

 ポイントは隠し味に加えた煮詰めたお酢、液体塩麹、にがりといった“和素材”。

 第一商品開発グループ グループリーダー 寺本和男氏はこう語ります。

 「煮詰めた酢を入れることで、旨味を引き立てつつ切れ味を増すことに成功しました。塩麹はトマトとの相性が非常によく、トマト感を出しながら、トマトの旨味を引っ張り上げてイメージです。にがりは、コクや深み、複雑味を与えてくれて、入れる入れないで奥行きがずいぶん変わってきます(寺本氏)」

 和の素材がミートソースの味を引き立てるとは意外ですね。“和”を取り入れるのも、日本生まれのハンバーガーチェーンであるモスバーガーだからこそのこだわりです。

ゴロゴロした挽肉の食感もアップ。ソースだけでおいしくてお酒が欲しくなる……!

 新ミートソースは、ソースだけでもお酒のおつまみに進むなと思えるくらい、後を引く濃い味わいでした(お酒好きの発想になっています)。

 もちろん、ハンバーガーにした時のバランスも良好。

奥行きが出て、今まで以上に味がくっきり。ちなみに、塩分は従来と変わらないそうです。

 新しくなったモスバーガーはよりソースの風味が増して、みずみずしいトマト、シャキシャキのカットタマネギ、主役のパティと一緒に食べると顔がほころぶおいしさ。全体的にトマトの旨味がたっぷりです。

見た目はあまりよろしくないですが、奥側です。実はソースの粘度が増したので、最後に残る汁気が少なくなりました。

お子様向けにまろやかな「ワイワイモスバーガー」を用意

 スパイスを強くしているため、お子さん向けに「ワイワイモスバーガーセット<スライスチーズ入り>」(税別500円)が新しく登場。

お子様向け「ワイワイモスバーガー」。ミートソースが少なめです。

 ミートソース少なめ、カットタマネギとトマト抜き。代わりに、チーズ、マヨ、ケチャップをプラスしてまろやかにした「ワイワイモスバーガー」がメイン。それに、フレンチフライポテトと対象の飲み物、おもちゃが付いたセットです。

ポテトと、飲料とセット。おもちゃ付き。

 年齢制限はないので、マスタードが入っていない柔らかな味のハンバーガーが食べたい時には「ワイワイモスバーガーセット」がオススメ。オマケもつきますよ(ただし、「ワイワイモスバーガー」単品での販売はありません)。

日本オリジナルの味を開発したからこそ今のモスがある

 ところで、発表会ではモスバーガー創業時のこんなエピソードをきけました。

モスがモデルにした「トミーズ」のバーガーはチリソース。そこで、日本向けのミートソースを開発。

 モスバーガー創業者である櫻田慧氏はアメリカのロスで食べた「トミーズ」のハンバーガーに感激。ハンバーガー店開業に向けてトミーズのハンバーガーをベンチマークにしたとのこと。

 ただ、トミーズのソースは“チリソース”。1972年の創業当時、日本ではチリソースの味にまだなじみがなく、それでは受け入れられないだろうと日本の味覚に合うミートソースを開発してできたのが、現在につながる「モスバーガー」。もし、本場の味に寄せていたら今のモスバーガーはなかったかもしれません。そう思うと感慨深くあります。

 新しくなったモスバーガーはモスの根幹にある“和”の素材で、味がさらにくっきりして、持ち帰っても今まで以上に楽しめるようになりました。ソースが濃くヤミツキに!

リッチ感ある味に。さめても今まで以上に味がしっかりしていますよ。
 

 「今までの味が好き」と言う人にとっても、ベースはもちろん一緒なので違和感なく楽しめると思います。お近くにモスがある人はぜひ新モスバーガーを試してみては。発売は7月16日からです。

ところで……。「モスバーガー」の販売個数は累計 12 億 8900 万個。これを積み上げると、地球(40,075km)約3周分あるそうです。

これまでに販売した「モスバーガー」に使用されたミートソースの合計は25メートルプールで換算すると約78個杯分だとか。すごいですね。

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ナベコ

酒好きライター、編集者。カンパイからすべてが始まるはず。「TVチャンピオン極~KIWAMI~ せんべろ女王決定戦」に出演するなど酒活動しつつ食トレンドを追っています。♪アスキーグルメでおいしい情報配信中♪

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