電機/エンタメから金融サービスのソニーへ、人を支える事業
もうひとつが、ソニーフィナンシャルホールディングスの完全子会社化だ。
吉田会長兼社長 CEOは、「金融事業は、エレクトロニクス、エンタテインメントと並ぶ、ソニーのコア事業であり、ソニーグループの長期的な成長戦略の一翼を担うことになる。完全子会社化は、経営力を強化し、グループ全体の企業価値向上につなげることができる」と発言。「金融事業は、700万人以上の顧客を持ち、日本に安定した事業基盤がある。地政学リスクが高まるなかで、グローバル企業として、経営の安定につながること、ソニーグループにとって、長期的な企業価値向上につなげることができると考えている」と、完全子会社化の狙いを語る。
実は、ソニーにとって、ソニーフィナンシャルホールディングスの完全子会社化は、長期的なテーマでもあった。
ここ数年に渡って、持ち分比率を徐々に引き上げ、現在、65%の株式を保有しているが、「ソニーのコア事業という観点で捉えれば、35%の少数株主は、価値の流出と捉えることができる」と、吉田会長兼社長 CEOは語る。
ソニーでは、コンテンツ事業とDTC(Direct-to-Consumer)事業を、「人の心を動かす」事業とし、ブランデッドハードウェア事業とCMOSイメージセンサー事業を「人と人を繋ぐ」事業に位置づける。そして、金融事業は、車載センシングやメディカルとともに、「人を支える」事業に定義する。
「ソニーグループの事業ポートフォリオは、人を軸に構成している」と吉田会長兼社長 CEOは前置きし、「40年の歴史を持つ金融事業は、安心を大きな提供価値としている事業であり、人を支える重要な事業」とする。金融事業はソニーの事業ポートフォリオにおいて、重要な一角を担うことになる。
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