何かと外出が難しく、家にいる機会が増えているであろう昨今。こんなときに自宅でゲームをプレイするというのは良い過ごし方だし、実際にそのような需要は大きく、各社のゲーミングPCやPCパーツの売れ行きは悪くないようだ。
さて、特にPCゲームをプレイする場合、ゲーミングPCとセットで考えなければいけない周辺機器として挙げられるのがディスプレーだ。近年はグラフィックス処理を司るGPUの性能が大きく向上したため、高いフレームレートでゲームをプレイできる場面が増えたことで、必然的にハイリフレッシュレート表示が可能なゲーミングディスプレーの需要も増している。湾曲パネルの採用、高い応答速度、画面同期機能の有無など、付随するスペックや機能も魅力で、選び方が分からないというユーザーも多いだろう。
この特集では144Hzや240Hz表示に対応するハイリフレッシュレート液晶にスポットを当て、最新の製品動向やおすすめ製品、PCゲームのフレームレート比較などをお送りする。
ハイリフレッシュレート液晶ディスプレーとは?
最新の製品動向に入る前に、まずはゲームのフレームレートとディスプレーのリフレッシュレートの関係、ハイリフレッシュレート液晶の定義についておさらいしておこう。
前提として、PCは採用するパーツ構成によって性能が千差万別であるため、ソフトウェアやアプリがどの程度快適に動作するかはそのPCのスペックに依存する。特にグラフィックス面の負荷が高いPCゲームにおいて、PCの性能差が顕著に現れるのが、単位時間あたりの画面描画回数、すなわち「フレームレート(fps)」だ。
同じゲームをプレイしていても、高いグラフィックス処理能力を備えたPCでは画面描画回数が多く、表示がよりなめらかになり、処理能力の低いPCでは描画回数が少ないために画面のカクつきが起きたり、ひどい場合にはソフトウェアが上手く動作しなかったりする。一方で、画一的なスペックを備えたコンシューマーゲーム機においては、すべてのゲームがハードに最適化されることでフレームレートが安定した値となる。したがって描画回数が問題とされることはないものの、そのぶん高いフレームレートを出すことはできない。高性能なPCを用意することで、コンシューマーハードよりも快適なゲーミング環境を実現できるのはPCゲーミングのひとつのメリットだ。
ただし、フレームレートはあくまでもゲーム側の描画回数に過ぎず、表示する機器が対応していなければ高いフレームレートを出しても意味がない。ディスプレーの画面更新頻度は「リフレッシュレート」と呼ばれ、一般的なディスプレーや液晶テレビは1秒間に60回画面を更新するリフレッシュレート60Hzに対応している場合が多いが、ある程度の性能を備えたPCでは、1秒間に60回以上画面を描画できる場合も少なくない。リフレッシュレート60Hzまでのディスプレーを使った状態でゲーム側のフレームレートが100fpsや200fpsに到達した場合、複数のフレームが同時に画面に表示されてしまい、映像がずれたように見える「テアリング」が起きることもある。これを解決する技術もあるが、そもそもディスプレーの更新頻度が60Hzだと、高いフレームレートを活かしたなめらかな画面表示はできないわけだ。
この連載の記事
- 第95回 後悔しないPCケース選び2020秋
- 第94回 Ryzen PRO 4000Gシリーズで自作するゲーミングPC
- 第93回 コンシューマーの名作も続々Steamに参戦! この夏やるべき新作・名作PCゲーム
- 第92回 Ryzen 3000XTシリーズではじめてのパソコン自作!
- 第91回 第10世代Coreと第3世代Ryzenで組むコスパ最強の自作PC
- 第90回 CometLake-Sことインテル第10世代Coreプロセッサーを見極める
- 第89回 勝つのはどっち? 第10世代Core vs Ryzen ゲーミングプラットフォーム最強決定戦
- 第87回 一目惚れして自作したくなるPCケースを買う
- 第86回 「CoD: Warzone」も出た! 今からプレイしても遅くない、バトルロイヤル系シューター最新アップデート
- この連載の一覧へ