『VIVEPORTインフィニティ』VRアプリレビュー 第1回
「VR Awards 2019」ゲーム・オブ・ザ・イヤー受賞作
でっかくなったりちっちゃくなったり……不思議なVRパズルゲーム「A Fisherman's Tale」
2020年04月20日 17時15分更新
HTCが提供している「VIVEPORTインフィニティ」は、定額料金でVRコンテンツが遊び放題になるVRサブスクリプションサービスだ。月額1500円、年額プランだと、1か月あたり1000円で利用できる。
そんなVIVEPORTインフィニティのVRコンテンツを紹介する本連載、第1回となる今回は、ちょっと不思議な体験ができるVRパズルゲーム「A Fisherman’s Tale」を紹介しよう。本作は2019年発売。「VR Awards 2019」にてゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、高い評価を受けている。またPC向けのVIVE系VRヘッドセットには一通り対応しており、VIVE CosmosやVIVE Comos Eliteなどでもプレイ可能だ。
プレイヤーは木でできた漁師(Fisherman)の人形「ボブ」。すっかり忘れられた灯台と、そのすぐ隣にある小さな小屋で暮らしている。本作では大嵐が来るより前に、灯台の一番上にたどり着くことを目指す。
さて、「A Fisherman’s Tale」は、冒頭のチュートリアル部分こそごく普通のVRパズルゲームに思える。しかし、次の章に進むと部屋の雰囲気にそぐわない巨大な錨が。
いったい何だろうと訝しみつつ、ナレーションにしたがって窓の板を剥がすと……。
そこには巨大な自分の後ろ姿! 部屋の中央にあるミニチュアを見ると、こちらにも自分がいる。そう、本作の舞台はマトリョーシカのような入れ子構造。しかも、お互いに干渉できるような仕組みになっているのだ。
例えば部屋の中から帽子を窓の外に投げれば、ミニチュアの中にいる自分もその帽子を部屋の外に投げてくれる――当然ミニチュアだ。これで小さくなった帽子が手に入る。逆にミニチュアの部屋の中に小さな鍵を入れれば、頭上から巨大化した鍵がドン! というわけだ。先ほどの錨もミニチュアから出せば、謎解きに使えるアイテムに早変わりする。
この独特なゲームシステムもさることながら、舞台設定やキャラクターたちもユニーク。しゃべるヤドカリ“船長”のお願いを聞いたり、巨大な魚の口の中に入ったりと、ディズニーのアトラクションに入り込んだような体験ができるのも魅力だ。
本作「A Fisherman’s Tale」は上記のような“VRならでは”のゲームシステム、そしてユニークなキャラクターや設定に支えられた、高品質なVRパズルゲームとなっている。言語は日本語未対応(現在は英、中、独、仏に対応)なのが残念ではあるものの、「何をすればよいか」はある程度ヒントを出してもらえる。パズル自体も決して難解ではなく、サクサク進めればおよそ2~4時間ほどあれば全編クリアできる。
なお、「A Fisherman’s Tale」の価格はVIVEPORTでは1840円。VIVEPORTインフィニティに登録すれば、定額で本作を含めたVRコンテンツが遊び放題になる。詳細はこちらから。
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