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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第557回

HP Labsの直系の子孫といえる分離後のAgilent 業界に多大な影響を与えた現存メーカー

2020年04月06日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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多くの企業を買収したAgilent
業務内容を次々と入れ替える

 ということで本題に入ろう。前回はAgilentの2012年までの財務状況とビジネスユニットの動向を中心に解説したが、Healthcare solutionsとSemiconductor Productsを売却した一方で、多数の企業を買収している。例えば2006年までで言えば、以下の企業を買収している。

Agilentが買収した企業
2001年 Silicon Microsystem(光ファイバー関連製品)
2002年 RedSwitch(InfiniBandとRapidIO製品)
2004年 Silicon Genetics(遺伝子データの分析/管理ツール)
2005年 Molecular Imaging(原子間力顕微鏡)
2006年 GEの化学発光製品部門(分析装置)
PXITの光ファイバー関連テスト装置資産
Acqiris SA(信号変換関連装置)

 これらの企業を買収する一方で、AgilentのI/O Solution部門を2005年にPMC-Sierraに4億2500万ドルで売却するなど、ビジネスポートフォリオを結構煩雑に入れ替えている。

 2006年にAgilentは100GbpsまでのBER(Bit Error Rate:それこそイーサネットやPCI Expressなどの高速通信で、物理層レベルで訂正できなかったエラーがどの程度の頻度で発生するかを示す値)を測定できるE9848Aや、MXA Signal Analyzer Platformなども同年発表している。

BERを測定するE9848A。発売当時の価格は構成次第ながら25万~83万5000ドルという代物。より廉価なN5980Aは3Gbpsまでの対応で2万ドル、ミドルレンジの7~12.5Gbps対応のN4903Aは16万ドルからとなっていた

 2007年にはStratagene(Life science)とVelocity11(Life science)、Adaptif(光ファイバー)、Kalabie(航空宇宙防衛)を買収するとともに、WiMAXに対応した統合テストツールとガス分析向け新プラットフォームを提供している。

 2008年には化学分析向け成分分析機と50GHzの帯域に対応するスペクトルアナライザー、さらにGeneSpringと呼ばれる遺伝子発現解析やゲノム解析に向けた解析ソフトウェアや、携帯電話基地局に向けたPNA-Xというアンテナテストレシーバー、あるいはMIMOレシーバーテスターなども発表している。

 2009年にはLife Science And Chemical Analysis(LSCA)部門がLife ScienceとChemical Analysisの2つに分割される。

 これに先んじて、2005年にSemiconductor Products部門をAvago Technologiesとして独立させた際に、Semiconductor test solutions部門も併せてAvago Technologiesに切り出しており、2008年末時点ではElectronic MeasurementとLSCAの2部門だったのが、2009年の再編で3部門になった形だ。

 2009年、Agilentは原子分子分光装置を手掛けるVarianを15億ドルの現金で買収している(買収完了は2010年)。製品としては、初のミリ波帯シグナルジェネレーターや、40G/100Gbpsに対応した光モジュレーションアナライザー、PCI Expressのプロトコルテスターなど、通信系の測定装置の投入が目立った1年である。

 ちなみに2010年にVarianの買収と並行して、VarianのビジネスのうちICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析)、Lab GC(ガスクロマトグラフィー分析)、GC-QQQ(ガスクロマトグラフィートリプル四重極質量分析)の3つのビジネスはBruker Corporationに売却したほか、Electronic Measurement部門のうちNSD(Network Solutions Division)をJDS Uniphase Corporationに売却するなど、引き続きビジネスの入れ替えは活発に行なわれている。

 この動きは2011年も変わらず、1月にA2 Technologyを買収し、同社の分光器の製品ラインを入手している。

 逆に5月にはPersistent SystemsがAgilentのMarketing and development businessを買収している。この部隊はLife Science & Healthcare部門に属していたものだが、Agilentはあくまで計測や分析に専念するということで、ビジネス開発などを外部に切り出した格好だ。

 2012年には、それまでで最大規模となる22億ドルでデンマークのDakoを買収する。Dakoはこの時点で組織ベースのガン診断のトップベンダーで、これを傘下に置いた形だ。

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