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「VRで人生を変えるような体験を」

SAOや楽園追放のスタッフが集結したVR ADV「東京クロノス」開発のMyDearestにインタビュー

2020年03月20日 11時00分更新

文● 高橋佑司 編集● ASCII

提供: HTC

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――今日はよろしくお願いいたします。まず、HTCのVIVEについて、開発の視点から見たメリットや魅力について教えてください。

千田氏:VIVEはトラッカーなどの付属のシステムで動きをつけたり、新しい表現をしてみようという試みができるのが強みだと思っています。

 僕らが開発している「東京クロノス」は、当初はVIVEトラッカーを使ってキャラクターをVRで動かして、VTuberに近いイメージで、アンバサダーのような形で配信してみようとも思っていました。

 うちではキャラクターや物語をベースにしたコンテンツを開発しているのですが、ゲームである以上、YouTubeでの動画配信など短い周期で定期的にコンテンツを提供出来るわけではないので、そうした「キャラクターを通してユーザーとの接点を作る」というのはやっていきたいと思っています。

――では体験するプレイヤーの立場として、VIVEでゲームをプレイするメリットなどは何があるでしょうか?

千田氏:VIVEはクッション性など、装着時の快適性が優れているので、腰を据えて長時間プレイするには優れたデバイスだと思っています。

 グラフィック品質や外部デバイスなどを見ても、VIVEはハイエンド向けというイメージなので、「VRで質の高い体験をしよう」という考えでがっつりプレイしたいユーザーはVIVEを使っている方が多い印象です。

 センサーのシステム面でも、ベースステーションを使用するVIVEは、一度セッティングしてしまえばあとは非常に快適にコンテンツを楽しめる、というのもいいところですね。最初の設定は手間ではあるんですが、「SUPERHOT VR」などは、VIVEじゃないとちゃんと面白い体験ができないなと思った作品です。

 弊社ではどちらかといえば、ストーリー重視の人やミドルゲーマーをメインのターゲットに据えていますが、北米中心のVR業界全体の潮流としてはよりハイクオリティーなグラフィック、より高度なインタラクションを取り⼊れたものが多くなっています。

 そうした中ではやはりVIVEの強みが活きてくるとは思いますね。トラッカーなどもユーザー次第ですごく自由な使い方ができるものなので、そこをうまく使っていけると非常に面白いと思います。

 OculusのVRデバイスも、もちろんゲーム開発や実機として使うことはできるのですが、「何か新しいことをやりたい、面白いことをやりたい、自分だけのコンテンツが作りたい」と思う人はVIVEを使っている人が多い印象です。


――割とクリエイター気質な人が使っている感じでしょうか。

千田氏:そうですね。いわば日本人の“オタク気質”にすごく合っている部分なのではないでしょうか。VIVEトラッカーが出た当初、日本で品切れが続出したり、思ってもみないような使い方をしている人も多くいたりして、そこは国民性とマッチした部分なのかなとも思っています。

 あとは、日本のキャラクター文化とも相性がいいように思います。VIVEトラッカーを使って、「VRChat」などでもキャラクターのアバターを動かして楽しむという使い方をしている人も多く、そうした文化にもマッチしているのではないでしょうか。


――「東京クロノス」はSteamなどで配信していますが、ゲームの配信プラットフォームについては、開発時に考えていたことはありますか?

千田氏:今は少し状況が変わってきてはいますが、「東京クロノス」の開発当時ではSteam=VIVEというイメージが強かったので、北米や中国、世界にリーチしようと思った際にはSteamに出すことは必須、そのためにはVIVEへの対応が必須というのは、VRディベロッパーの多くが考えていたところだと思います。


――今後の対応ハードについては?

千田氏:VIVE CosmosやVIVE Forcusについては、今後対応を予定しています。また中国向けに、VIVEPORTで配信することも検討しています。Steamは世界的に展開していますが、あくまで北米のプラットフォームですので、中国に直通のルートというわけではないからです。

 中国ではコンテンツの種類はあるんですが、そのクオリティーにバラつきがあるので、北米や日本など、海外から入ってくるVRタイトルに対する期待が高いというのを聞いています。「東京クロノス」にもかなり期待していただいているとも聞いていますので、そこは早めに対応したいと思っています。


――実際のところ、VIVE Cosmosへの対応というのは難しいのですか?

千田氏:HTC VIVEに対応していれば、実質コントローラー周りの対応のみになるので、そこまで難しくはありません。VIVE Focusはもう一手間かかりますね!


――VIVE FocusやVIVE Focus Plusなど、HTCからケーブルのない一体型のVRデバイスが一般販売されるとしたら、そのメリットや期待することはありますか?

千田氏:僕らはVRディベロッパーの中でも完全に一体型路線に突き進んでいる会社だと思うので、PCへ接続しなくてもパッと起動してすぐVR体験を開始できるという点では、一体型デバイスへの期待はすごく大きいです。

 デバイスに関しては、国外展開をさらに広げるにあたって、国ごとにどういったデバイスが使われているかは違うため、いろいろな製品を試しています。そうした中で、例えばスマホVRほどローエンドではないものの、ミドルスペックにあたるのVRデバイスはすべて検討している状況です。

 一体型デバイスでも、より良い機能を持ったデバイスには対応していきたいと思っていますので、VIVE FocusやVIVE Focus Plusにもぜひ対応したいですね。

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