MNOとして、自社ネットワークで提供する楽天モバイルの正式サービス開始が4月8日に決まり、料金プランの「Rakuten UN-LIMIT」も発表された。
楽天モバイルの自社エリアではデータ通信も音声通話も使い放題で月2980円(以下、すべて税抜)というもので、しかも300万人は最初の1年は無料。非常にオトクに見えるサービスである。一方で、これに合わせて4月7日には、MVNOとしての楽天モバイルの新規受付が終了する。今加入するなら、また現行ユーザーならどちらを選ぶべきか見ていこう。
月2980円で“使い放題”の「Rakuten UN-LIMIT」は
オトクではあるが、大きな弱点が2つ
月2980円で“使い放題”が話題の「Rakuten UN-LIMIT」。データ通信も国内通話もアンリミットで、「価格破壊」と言われているのももっともだ。ただし、そのオトクさも価格破壊にも条件がある。データが使い放題なのは楽天のエリアにいるときだけ。楽天のエリア外では、auのネットワークに接続する。楽天モバイルではこれを「パートナーエリア」と称していて、そこでのデータ通信は月2GBが上限になっている。
楽天のエリアは当面は東京/名古屋/大阪に限定されていることに加え、そのエリア内であってもカバー状況は3大キャリアほど充実していない。たとえば、地下街や地下鉄などではauネットワークに接続されることが多くなり、「月2GB」から消費されていくことになる。
つまり弱点の1つ目はエリア。そして「使い放題」のはずが、月2GBの天井が重くのしかかる。
そして弱点の2つ目は、iPhone対応ではないこと。現在提供されている無料サポータープログラムでは、新しい機種のiPhoneやiPadではデータ通信だけは可能だったケースもあるようだが、基本的には動作対象外で公式には対応していない。また、使い放題の通話も「楽天LINK」というアプリの利用が前提。現在のところAndroidのみの提供となるため、iPhoneでは使えない。
また、「Rakuten UN-LIMIT」の先行申し込みは新規の電話番号での契約のみ。他社からのMNPやMVNOの楽天モバイルからの移行は4月8日のサービス開始以降となる。現時点では300万人の無料の枠に入ることはできそうだが、4月8日からの申し込みではどうなるかわからない。ただ楽天側は「先着」とは言ってはおらず、サイト上にも「増減の可能性あり」とも書かれていることから、今後の対応の余地を残しているのかもしれない。
MVNOの楽天モバイルは月1480円~だが、4月7日で受付終了
既存ユーザーは当面そのまま利用できる
自社回線での正式サービス開始を受けて、いよいよMVNOの方の楽天モバイルは4月7日で新規申込を終了する。現状のMVNOのサービスは「スーパーホーダイ」の「プランS」で1年目は月1480円(2年目以降は月2980円)。月2GBのデータ通信、1回10分までの国内通話が定額という内容。「スーパーホーダイ」はドコモのネットワークを使うため、エリアもドコモと同じ。スマートフォンも各種SIMフリースマホのほか、ドコモで販売している端末をSIMロック解除なしで利用できる。
通信量についても特徴があり、月2GBを使い切った後でも、最大1Mbpsで通信が可能なため(12~13時と18~19時は最大300kbps)、上限に到達したからといって、全然使い物にならないほど速度低下するわけではない。
この内容で、最初の1年間は月1480円で利用できるのは魅力的で、他のMVNOの格安SIMに比べても条件はいい。2年目以降は月2980円になり「Rakuten UN-LIMIT」と同額だが、昨年10月からいわゆる縛りは撤廃されているので、1年経ったら、ほかのサービスに乗り換えるのもありだ。
「Rakuten UN-LIMIT」に対して劣っている点は、通信量の制限と通話定額が1回10分までということだろう。ただし、iPhoneに対応しているという点ではMVNOのほうが有利と言える。
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