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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第147回

自社回線で使い放題か、間もなく受付終了のMVNOか、楽天モバイルで選ぶならどっち?

2020年03月09日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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 MNOとして、自社ネットワークで提供する楽天モバイルの正式サービス開始が4月8日に決まり、料金プランの「Rakuten UN-LIMIT」も発表された。

 楽天モバイルの自社エリアではデータ通信も音声通話も使い放題で月2980円(以下、すべて税抜)というもので、しかも300万人は最初の1年は無料。非常にオトクに見えるサービスである。一方で、これに合わせて4月7日には、MVNOとしての楽天モバイルの新規受付が終了する。今加入するなら、また現行ユーザーならどちらを選ぶべきか見ていこう。

「一年無料」と「完全データ使い放題」の2つが目立つ楽天モバイルの料金プランだが、現時点では全国どこでもデータ使い放題というわけではない

月2980円で“使い放題”の「Rakuten UN-LIMIT」は
オトクではあるが、大きな弱点が2つ

 月2980円で“使い放題”が話題の「Rakuten UN-LIMIT」。データ通信も国内通話もアンリミットで、「価格破壊」と言われているのももっともだ。ただし、そのオトクさも価格破壊にも条件がある。データが使い放題なのは楽天のエリアにいるときだけ。楽天のエリア外では、auのネットワークに接続する。楽天モバイルではこれを「パートナーエリア」と称していて、そこでのデータ通信は月2GBが上限になっている。

 楽天のエリアは当面は東京/名古屋/大阪に限定されていることに加え、そのエリア内であってもカバー状況は3大キャリアほど充実していない。たとえば、地下街や地下鉄などではauネットワークに接続されることが多くなり、「月2GB」から消費されていくことになる。

「パートナーエリア」と表現されているが、楽天が自社でエリア展開している場所以外や地下街などではau網に接続する。その際のデータ通信は月2GBまでだ

 つまり弱点の1つ目はエリア。そして「使い放題」のはずが、月2GBの天井が重くのしかかる。

 そして弱点の2つ目は、iPhone対応ではないこと。現在提供されている無料サポータープログラムでは、新しい機種のiPhoneやiPadではデータ通信だけは可能だったケースもあるようだが、基本的には動作対象外で公式には対応していない。また、使い放題の通話も「楽天LINK」というアプリの利用が前提。現在のところAndroidのみの提供となるため、iPhoneでは使えない。

 また、「Rakuten UN-LIMIT」の先行申し込みは新規の電話番号での契約のみ。他社からのMNPやMVNOの楽天モバイルからの移行は4月8日のサービス開始以降となる。現時点では300万人の無料の枠に入ることはできそうだが、4月8日からの申し込みではどうなるかわからない。ただ楽天側は「先着」とは言ってはおらず、サイト上にも「増減の可能性あり」とも書かれていることから、今後の対応の余地を残しているのかもしれない。

先着300万人というとどうも急がないといけないような気持ちになってしまうが、そもそも「先着」ではなく、この300万人についても「増減の可能性あり」という注意書きが見られる

MVNOの楽天モバイルは月1480円~だが、4月7日で受付終了
既存ユーザーは当面そのまま利用できる

 自社回線での正式サービス開始を受けて、いよいよMVNOの方の楽天モバイルは4月7日で新規申込を終了する。現状のMVNOのサービスは「スーパーホーダイ」の「プランS」で1年目は月1480円(2年目以降は月2980円)。月2GBのデータ通信、1回10分までの国内通話が定額という内容。「スーパーホーダイ」はドコモのネットワークを使うため、エリアもドコモと同じ。スマートフォンも各種SIMフリースマホのほか、ドコモで販売している端末をSIMロック解除なしで利用できる。

MVNOの楽天モバイルは格安SIMの中でも条件がいい方。特に1年目は月1480円~。しかも今は縛りが無いので、高くなる前に乗り替えも可能だ

 通信量についても特徴があり、月2GBを使い切った後でも、最大1Mbpsで通信が可能なため(12~13時と18~19時は最大300kbps)、上限に到達したからといって、全然使い物にならないほど速度低下するわけではない。

 この内容で、最初の1年間は月1480円で利用できるのは魅力的で、他のMVNOの格安SIMに比べても条件はいい。2年目以降は月2980円になり「Rakuten UN-LIMIT」と同額だが、昨年10月からいわゆる縛りは撤廃されているので、1年経ったら、ほかのサービスに乗り換えるのもありだ。

 「Rakuten UN-LIMIT」に対して劣っている点は、通信量の制限と通話定額が1回10分までということだろう。ただし、iPhoneに対応しているという点ではMVNOのほうが有利と言える。

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