低価格スマートフォンがさらにスペックアップし
充実することは間違いなし
2019年は通信と端末価格の分離にともなって、低価格のスマートフォンが多数登場した。低価格といっても、スペックは十分にアップしており、世代が古いハイエンドスマートフォンを使い続けるよりも、最新の低価格スマートフォンのほうが快適という事態になっている。
この流れはさらに加速すると思われる。2019年は「OPPO Reno A」という3万円台ながら処理性能もおサイフケータイも防水もDSDVも全部入りのスマートフォンが登場し、安かろう性能が低かろうという低価格SIMフリー機の流れを断ち切った。また、ドコモ・au・ソフトバンクでもミドルやエントリークラスへのシフトが進んでいる。
その象徴的な製品がサムスンの「Galaxy A20」で、ドコモ・auから約2万円という価格で登場、処理性能はそれほど劣らず、おサイフケータイや防水に対応、2万円までという値引き制限があっても、本体が0円に近い金額で新規加入を受け付ける店が登場。中古市場にも1万円台で未使用品がたくさん出回るという事態になっている。
Galaxy A20の性能は上位機種には及ばないが、以前のエントリー機種よりは制約が少ないように感じられ、新機種のためOSも新しく、アプリの利用制限も出てくるような古い機種を使い続けるよりはずっと快適だ。また、アプリを頻繁に切り替えるというような使い方をせず、上位機種と比較しなければほとんど問題なく使える。
もし、ユーザーの意識が変わってくれば、日本でも性能は低くても最新のスマートフォンに人気が集まるという状況になるかもしれない。
その一方で格安SIMの普及はそれほど進まない
では、回線側となる格安SIMはどうかというとそれほど普及は進んでいない。格安SIMを使いこなせる層の需要が一巡する一方で、低価格アレルギーという層は一定数存在し、一度も使ったことがないにもかかわらず、人から聞いた話だけで最初から拒否する人がいるからだ。
なかには実際に昼休みや夕方の混雑時間帯に辟易し、格安SIMで不幸な体験をした人もいる。しかし、格安SIMを否定する人に話を聞いてみると、ウワサレベルの話だけでシャットアウトしてしまう人がかなりいることも事実。こうした人に何を言っても、格安SIMのメリットを理解してもらえないかもしれない。
また、サポートの問題もある。サブブランドの場合は店舗があるから問題ないが、MVNOの格安SIMの場合、設定は自分でということになり、端末の使い方にしても聞きに行けそうな場所がない。大手家電量販店には有料のサポートコーナーもあるが、有料ということで敷居が高い。
スマホの使い方を教えるという部分は、3大キャリアでも有料化の流れはある。しかし、いきなりなにもかもが有料にはならないだろう。リアルな店舗を持っている3大キャリアとサブブランドと比べると格安SIMに飛び込むにはハードルは高い。
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