多忙な人には嬉しい時短可能な省エネ戦闘!
ゲームのメインとなるバトルシステムは、各ステージごとに1~4ウェーブの戦闘を勝ち抜くターン制コマンドバトル。パーティに編成した5人に加えて、フレンドやフォローした人を中心にランダムに提示される10人のゲストから選んだ「助っ人」1人を含めた6人で戦う。
プレイヤーが常に先攻で、各ターンはプレイヤー→敵の順に攻撃を繰り返し、プレイヤーのターンでは、パーティに追加した順に各キャラクターの行動を、通常攻撃、2種類のスキル攻撃、防御から選ぶ。勝利するとドロップアイテムがもらえ、次のステージが出現する。
一応、レベル最大になって余ったキャラなどを登録しておいて、ゲージを溜めてパーティの行動後に援軍を召喚する「ふるボッコ」デッキという超必殺的なシステムもある。とはいえ、全体的には非常にオーソドックスなRPGの戦闘システムとなっている。
本作最大の特徴は、戦闘システム自体よりも、この戦闘がもの凄い勢いで省エネできるという点だ。まず、大抵のブラウザーRPGには実装されている倍速戦闘や、指定したスキルを使ってくれるコマンド入力不要なオートモードはもちろん搭載。
さらに、本作独自のシステムとして「ウェーブチェイン」という機能が導入されている。この機能を使うと、ウェーブの敵を素通りしてステージを進んでしまう。素通りした敵は次のウェーブに援軍として追加され、全ウェーブをチェインすれば、ステージすべての敵と一度に戦闘することになる。つまり、敵の数を増やすかわりに戦闘回数を減らすシステムで、戦力差が大きければ楽に敵を一掃でき、各ウェーブに無駄な時間をかけずに済むようになるのだ。
そして、もうひとつ。一度クリアしたステージを再戦する際、戦闘自体を丸ごと飛ばしてしまうことができる「スキップ」機能がついている。戦闘をスキップするには、そのステージを★3でクリアしていなければならない。★3はパーティにひとりもダウンを出さずにクリアするのが条件だ。
ただ、初回クリア報酬として創世石(ガチャを回す石)がもらえるので、どのステージでもひとまずクリアしておくべき目標でもある。加えて、そのステージをプレイするのに必要な体力(いわゆるスタミナ)と、スキップチケットというアイテムを消費すれば、そのステージをプレイして勝ったことになり、戦闘せずにクリア報酬のアイテムを獲得できる。
スキップに必要なスキップチケットは入手機会が多く、クリア報酬などで豊富に手に入る。しばらく使わないでいるとあっという間に何百枚という単位で貯まるので、一度クリアしたステージでは積極的に使っていってしまって構わない。新しいステージに挑戦してクエストやイベントを進めるつもりがなければ、サクサク進行してあっという間にデイリーミッションをクリアすることもできてしまう。
これらの機能を活用すれば個々の戦闘はかなりスピーディに片が付く。面倒臭い部分を飛ばして、キャラの育成やパネルミッションの達成、素材の収集など、より戦略的な部分に集中することが出来る。他にも細かい部分の端々に、省エネに特化した調整が垣間見え、忙しい社会人が朝晩の通勤電車や昼休みといった隙間時間に進めるのに最適な構成を目指しているようだ。
同時に、その集中力の必要無さは、ながらプレイや裏プレイにも合うので、廃人ゲーマーなら他のゲームをプレイする裏で立ち上げておくのにも向いている。こうしたプレイスタイルを考えると、スマホブラウザー完全対応も大変ありがたい。
平凡なストーリーなのにテキストが面白い!
日常シナリオこそ「ふるふる」の真骨頂!
ゲームシステムと豊富なコンテンツだけでも十分に遊ぶ価値のあるタイトルなのだが、それでもFF……と略すと色々アレなので「ふるふる」の真骨頂は、シナリオにこそある。
と、言ってしまうと、何かすごく壮大なストーリーを期待されそうなので最初に言っておくが、「ふるふる」メインストーリーの筋立ては、率直に言ってつまらない。少なくとも、他の凡百のブラウザーRPGと大差なく、単にステージを進めるためだけに都合良く、そしてロクにドラマもなく物事が起き、戦闘を挟んだ後、大した盛り上がりもなく終わる。通勤中に遊んでいるなら後で見れるので丸ごとスキップしてしまっても構わない。本当に、どこにでもあるブラウザーRPGのメインストーリーだ。
そんなシナリオを薦めるのは、ひとえにキャラクターの描写にある。ともかく、キャラクターが活き活きとしていて、それぞれの個性を最大限発揮している。物語はごく平凡なのに、テキスト自体は読んでいてとても面白いのだ。とりわけキャラの個性は特筆に値する。美少女ゲームのヒロインは往々にして極端な性格なものだが、「ふるふる」はさらに突き抜けたような斜め上なキャラクターがやたらに登場し、そしてシナリオがそれを真っ直ぐ反映している。
また、話の筋としても殺伐とした部分がなく、魔女たちの侵略も描き方はコメディタッチ。どこまでも平和でゆる~い世界観が描かれている。そんな日常シーンの面白さこそが、「ふるふる」最大の魅力なのだ。本作のシナリオを読むと、ブラウザーRPGに壮大でシリアスなストーリーなんて要らないということがハッキリわかる。
そんな内容だから、俗に「美少女動物園」と揶揄されるような日常系ほのぼの美少女アニメが好きな人には特にオススメしたい。あんな感じのユルさで、しかもプレイヤーを中心としたハーレムシナリオとくれば、楽しくないはずがない。
©DMM GAMES
ここまでざっと紹介してきたとおり、総合的に見れば「ふるふる」はたしかにひとつひとつの要素には独自性がほとんどない。他のどっかのゲームでも見たようなものばかりだ。しかし、それらをちゃんと求められる品質で作り、効果的な形で組み合わせた、作り込みの上手さが本作にはある。
まさに「こういうのでいいんだよ、こういうので」を地で行く構成をしているのだ。個々の要素がありがちで目新しい所がないからといってスルーしてしまうのはもったいない。次に遊ぶブラウザーRPGを探していたりする人は、ぜひ一度試してみて欲しい。
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