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「Porsche Esports Racing Japan Special Stage 2019」

これがeMotosportsだ! まったり1/1000秒を競うポルシェのeSports大会開催

2019年12月12日 17時00分更新

文● クリハラジュン 撮影●クリハラジュン

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 ドイツのスポーツカーメーカー・ポルシェの日本法人であるポルシェジャパンは12月1日、天王洲アイル京浜運河沿いにあるPUMA BRAND CENTER TOKYOでeSportsイベント「Porsche Esports Racing Japan Special Stage2019」を開催しました。筆者もメディア枠で参加したので、イベントをレポートします。

 このイベントは6月中旬に富士スピードウェイで開催されたeSports大会「GT Sport Porsche Esports Racing Japan シーズン1」の上位入賞者に加えて、ポルシェカップジャパン(PCCJ)、ポルシェスプリントチャレンジジャパン(PSCJ)のリアルポルシェドライバー勢、メディアを集め開催されたスペシャルレースです。

 会場にはサンドイッチやドリンクといった軽食が用意され、終始和やかな雰囲気の中で4台のFIAグランツーリスモ選手権公認のバーチャルレーシングコクピット「TSK GT Pod」を使った大会となりました。

 筆者もメディア枠で参加。イベントは、好きなコース・クルマの組み合わせでの練習走行、その後予選タイムアタックとエキシビションレースを経て決勝レースという流れです。

 筆者が到着した時にはすでにeRacerたちが談笑しながら練習に励んでいました。とはいえ、この時点では予選、決勝がどんな組み合わせになるかは明らかにされていません。

 多くのeRacer/リアルレーサーはFIA-GT3マシンに相当するGR.3「ポルシェ 911 RSR」を使い「富士スピードウェイ」や「鈴鹿サーキット」を中心に走行していました。過去行われた大会の多くがGR.3マシンを使ったバトルというのが予想理由でした。

 そんな中で筆者は、最近日本で発表されたばかりのEVスポーツカー「タイカン・ターボS」で練習走行。

 最大出力761馬力/最大トルク1050Nmというビックパワー&トルクは、2.2トンの車体をいともあっさりと250km/hオーバーの世界に持っていってしまいます。それ故にブレーキングとコーナリングにはある程度の慣れが必要でした。

 そして予選の時間になると、PCCJ/PSCJのアシスタントMC担当で、ここ最近「GTSport 放送局」という「グランツーリスモSPORT」のYoutube配信レースを立ち上げた「大塚リコ」さんのアナウンスで予選タイムアタックの組み合わせが発表されました。タイカンで富士スピードウェイという、タイカンのパワーを存分に楽しめる一方で繊細なドライビングが求められる、難しい組み合わせとなりました。

 「リアルレーサー」、「eRacer」、「大会関係者」そして「メディア」の4グループに別れ、各グループ上位2名が決勝レースに進出できる流れとなっていました。予選タイムアタックの時間はたっぷり4時間。何度でも挑戦できるので最初は戸惑いながらも、徐々にベストタイムが更新されていきました。

 結果、各グループの平均タイムが1分42秒前半~中盤あたり。


同条件で大会後に行なったタイムアタック

決勝レースの前にはeRacerによるエキシビションレースが行なわれ、岡本拓也選手が勝利!

 筆者も中盤でなんとか食らいつき、メディア枠1位で通過し決勝レースに臨みました。

 決勝戦は、鈴鹿サーキットをカップカラーリングに仕立て上げた特製の「911 GT3 RS」で5周します。予選タイムの「1位と8位」「2位と7位」「3位と6位」「4位と5位」の4チームで戦うのですが、必ず1度のピットインが必要となり、タイミングとその時の順位が非常に重要でした。SUPER GTのようです。

 筆者は予選7位だったので、2位のeRacerで、直前にモナコで開催されたグランツーリスモSPORTのFIA公式大会「FIA GT チャンピオンシップ ワールドファイナル」の国別対抗戦「ネイションズカップ」にて総合3位入賞のトップレーサー・宮園 拓真選手とともに臨むこととなりました。

 短い時間の宮園選手との打ち合わせで、スタート2周は筆者が走って残りの3周を宮園選手に託すという作戦に。たかが2周、されど2周。筆者にも今までとはまったく違うプレッシャーがのしかかりました。

 そして2番手からレーススタート。ともかくスピンやコースアウトは絶対やってはならないので、ミスをしないことに全神経を集中しました。しかし、1周目のヘアピンカーブでブレーキングがわずかに遅れたことで膨らんでしまい、3番手に後退してしまいました。不幸中の幸いかあまり離されずに真後ろを走れたので、マシンのコントロールに注意を払いつつ、挽回しようとチャンスを狙っていました。

 2周目、中盤の高速コーナー300Rからの鋭角なデグナーにアプローチしたときに今度はインカットしすぎて0.5秒の減速ペナルティー。スプーン先のバックストレートで強制的に減速させられてしまいました。なんとかシケインで巻き返し、3番手で宮園選手にバトンタッチ。

 実際のレースさながら、祈る気持ちでレースを見守りました。トップはeRacerの吉田匠吾選手と、PCCJ王者の笹原右京選手のチームが2位以下に1秒弱の差を付け、順調に周回を重ねていました。

 宮園選手は、奮闘し終盤に2位に上がりトップを追いかけましたがわずかに届かず。

 優勝した吉田選手、笹原選手の両名には、今回のイベント名が刻印された1/18 ポルシェ911 GT3カップカートロフィーと、ポルシェ特製のシャンパングラスが贈られました。

 今回のイベントの主催であるポルシェジャパンのモータースポーツ部門 松岡直紀マネージャーは、今後の活動について触れ「今年からPCCJとPSCJという2本のリアルなモータースポーツに加えて、Porsche Esports Racing Japanを立ち上げて、モータースポーツを推進しました。今後もeSportsとリアルなモータースポーツの両方が、同じ高さでシナジーを生むような環境づくりに積極的に取り組んでいきます」と話した。

 リアルのプロレーサーたちとともに、和やかな雰囲気ながらクルマが持つ楽しさを思う存分味わえた一日でした。ポルシェはもちろん、他メーカーも幅広い世代にクルマの楽しさ・魅力を伝える手段として、eMotorsportsに積極的に取り組んでほしいですね。

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