今回はVR脱出アドベンチャーゲーム「Last Labyrinth」を紹介しよう。本作は「VR時代の新しいアドベンチャーゲーム」をコンセプトに開発され、VRならではの世界観と謎解き、仮想キャラクターとのコミュニケーションを体感できる作品だ。価格は4378円で配信中。
本作は車椅子に拘束された主人公となり、謎の少女「カティア」と協力しながら数々の謎を解き、館からの脱出を目指すというもの。主人公は車椅子に全身を拘束されているため、自由に身動きが取れない。唯一、動かせるのは「頭」と「手先」のみ。頭にはレーザーポインターが装着されており、手に持ったコントローラーを押すと作動するしくみになっている。
プレイヤーはこの動作を用いてカティアとコミュニケーションを図っていく。部屋の中で気になる点や動かして欲しい仕掛けをレーザーポインターで指し示すとカティアが対象物の前へと移動してくれる。カティアは移動後、対象物を指差し「これ?」とこちらの反応をうかがうような仕草を見せる。この行動に対し、プレイヤーは「イエスなら頭を縦に、ノーであれば横に振る」といったように首振りで応えていく。このような流れでカティアと協力して部屋に仕掛けられた謎を解き、次の部屋へと進む。
各部屋の仕掛けは、周りをよく観察することで解けるものから、歯ごたえのあるものまでさまざま用意されている。カティアは日本語でも英語でもない独自の言語を話すため、言葉によるコミュニケーションは取ることができない。頼りになるのは自分の頭脳のみである。
通常、パズルや謎解きゲームでは「AがダメならBを試す」といったことが可能だが、本作においては「間違い=死」に直結してしまう。プレイヤーが間違えるとカティアが死んでしまうという未来が待っていると思うと、ひとつひとつの判断に緊張が走る。
本作の目的は館からの脱出なのだが、ゲームを進めると早々に館からの脱出に成功する。これでゲームクリアかと思いきや、視界が暗転しゲーム開始時の部屋に戻される。しかし、次の部屋に進むと、以前と同じようで細かい部分で異なっている。
本作はいわゆるパラレルワールド(兼ループ)の構造になっている。そのため、何度も脱出を繰り返して新たな謎に挑んでいくことになる。またマルチエンディングなので、時に悲惨な結末を迎えることも。プレー当初は謎だったキャラクターやストーリーもいくつかのエンディングを見ることで、ある程度解釈できるようになっている。
Last Labyrinthは、少女と触れ合いつつ死と隣り合わせという危機的状況を体験できる。カティアとは言葉は通じずとも進むにつれて絆が芽生えていく感覚を味わえた。しかし、カティアが命を落とすシーンは衝撃的なため心構えが必要だ。また、車椅子に固定されているという設定から座ったままプレーでき、VR酔いも気にすることなく遊ぶことができるため、長時間プレーもしやすい作品である。
©2016 AMATA K.K. / LL Project
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