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業界人の《ことば》から 第366回

粗が多いAIの課題を解決する富士通の2つの新技術

2019年11月06日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集● ASCII

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信頼され、成長するAIの提供を目指す

 そのほか、富士通研究所では、いくつかの研究事例を発表した。

 米カーネギーメロン大学と共同研究している「細やかな表情変化を高精度に検出するAI技術」は、検出対象となる表情筋ごとに最適化された表情認識ができ、画像から「うれしい驚き」「苦笑い」「嫌悪」などの表情を読みとることができるものだ。顧客や従業員の細やかな表情変化を捉えることで、サービス品質の向上などに応用できるとしている。

 「疾病による多様な歩き方を定量化する歩行特徴のデジタル化技術」では、ジャイロセンサーを足首に付けて、歩き方を定量化。小刻み歩行や鶏状歩行などの9種類の主要な異常歩行の特徴から、筋骨格、脳神経、循環器などの疾病の影響で現れるさまざまな歩き方を判断。疾病の経過などを知ることができる。

 また、2021年に稼働予定のスーパーコンピューター「富岳」についても説明。「京」のマイクロアーキテクチャーを継承するとともに、HBM2メモリーを採用し、高いメモリーバンド幅と演算性能を実現。さまざまな分野での応用を想定している。

 富士通 代表取締役副社長兼CTOであり、富士通研究所の会長を務める古田英範氏は、「富士通のAIは説明可能で、透明性、精度、品質を備え、社会から信頼され、成長するAIを提供することを目指している」とする。

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