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東京モーターショー 2019レポート 第11回

東京モーターショー 2019

市販車が一台もない!? 未来のその先を見据えたトヨタブース

2019年11月01日 16時00分更新

文● 栗原祥光 撮影●栗原祥光

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 東京モーターショー 2019の中でもっとも混んでいるブースは? というと、青海会場にあるトヨタブースだろう。そのトヨタブースは他とはちょっと異なる趣きだ。

 プレスカンファレンスで登壇した豊田章男社長は「このブースに、来年発売予定の車は1台もありません」と明言。実際に現在市販している車は1台もなく、すべてコンセプトカー。しかも、どれも現実的なものではないように思える。だが、これらはすべて「将来のモビリティのカタチ」であったり「トヨタが考える夢」と思うと合点がいく。ちなみに新型車は会場近くのMEGA WEBに展示されている。

 コンセプトカーに共通しているのは「電動化」だ。ハイブリッドの先には電気自動車の世界がやってくると、トヨタは思っているのだろう。まずはe-RACER。コンパクトなフォーミュラーカーというか、カートのような1台。いたるところに「GR」のロゴが見て取れる。まずここで気づくのは、未来=車は自動運転ではなく、操縦を楽しむ車が存在するだろう、というメッセージだ。

 いっぽうで完全自動運転で東京オリンピックに十数台提供し、選手村内を巡回するバスとして選手や大会関係者の移動をサポートするの「e-Palette」も展示。そのほかでは、実際にヘルスケアができるという「e-Care」に乗って、簡単な健康診断のようなものもできる。

 ここまでトヨタが未来志向を打ち出すのは、車が電動化、自動化といった「100年に一度の革命」がおきるからなのは間違いない。そこでトヨタが今後、何ができるのかをユーザーをワクワクさせながら提案するという試みなのだろう。

 他ブースが「比較的現実志向」であるのに対して、21世紀を通り越し22世紀まで行ってしまったかのような展示。業界最大手の考えることは、常に未来志向なのか、と思いながらブースを後にした。

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