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kintoneな人 第10回

kintoneが好きが講じて公式のオンラインコミュニティ担当に

サイボウズ松井隆幸は、いかにして「キンスキ松井」になったのか?

2019年10月17日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 写真●曽根田元

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ネットナンパして会いに行ったkintoneユーザーは30人以上

大谷:キンスキって、今はラジオもやっているんですよね。

キンスキ松井:30~40分くらいでユーザーやパートナーをゲストに迎えてインタビューしています。最初は1人で話していたのですが、寂しくなってゲストを呼び始めました。業種、業務、レベル感で必要な情報が全然違うので。だから、僕だけが発信したいわけではない。だから、ユーザーさんと発信するのを試してみます。

キンスキ.comはラジオやYouTubeで幅広く展開。書き起こしまである

大谷:どうやって番組にしていくのですか?

キンスキ松井:今はユーザーに直接会いに行って、その場で収録しています。Twitterで面白そうなユーザーを見つけて、ダイレクトメッセージするとか、ほとんどネットナンパです(笑)。もう30人くらいは会ってますね。

大谷:どんなところが面白いですか?

キンスキ松井:やっぱり、インタビュー相手の思いや人柄が見えてくるのが好きですね。いいことだけじゃなくて、悪いこともあって、こう乗り越えて来たとか。人生の一コマが見えているのがラジオのよさだと思っています。

たとえば、kintone hiveの松山に登壇なさったケーオー商事の片山さんは、「8年目の日報アプリ」で語ってくれました。

大谷:もうタイトルからして最高ですね。

キンスキ松井:ルックアップや関連レコードもなかったときからkintoneで日報アプリを作ってくれていて、8年経ったいまも改善を繰り返しています。その中で、どんな気づきや学びがあったのかを語ってもらいました。日々改善で、とても濃いですよね。

逆に導入3ヶ月目のユーザーに話を聞いたりとか。「僕はkintone好きなんだけど、みんなに受け入れてもらえるかとても不安です」みたいな。

大谷:エモい。

キンスキ松井:そうなんです。ラジオだと「現場から意見を集めるときは、一言目でできないと言わないようにしましょう」とか、「改善要望やアイデアを持ちやすい人を見つけましょう」とか泥臭い話がすごく出てきます。

大谷:いいこと話ばかりじゃないんですね。

キンスキ松井:やはり泥臭い話の方が面白いし、共感も呼べるなと思います。kintone hiveやCybozu Daysの事例としてキラキラしてるんで、キラキラしなければならないと思っている人もいるんですよ。でも、登壇した人もラジオに出ると、「実はそんなにすごくない」って話や「使いこなせない」という話も出てきます。文字列複数行が1つだけ出てくるアプリがあるとか。

大谷:一番読まれているのは?

キンスキ松井:kintone内のポータルの作り方ですね。あれって、サイボウズの中では知られていたのですが、最初はどこも紹介されてなかったんです。とにかくWebにkintoneの活用情報がないなとは思っていました。

マニアックなので、ラジオは最大で300再生くらい。そんなに多くの人に聴かれているわけではないのは事実ですが、30~40分のkintoneユーザーの番組が300回近く再生されるって、個人的にはすごいと思います。

大谷:最初からそんな感じだったんですか?

キンスキ松井:当初は連携サービスを中心に営業の発想で今までできないことを紹介していたのですが、ユーザーと話せば話すほど、刺さっていないのがわかりました。こんな連携サービスで出ましたという話をしても、そこまで興味を持たないんです。

でも、ユーザーさんが関心を持っていたのは、そもそもkintoneでどうやってシステムを作れるのだろうか、どうやって業務をよくできるだろうか、どうやってみんなに使ってもらえるのだろうとか。作る以前のところで課題を持っているんです。だから、使い方や機能という「点」ではなく、そもそもこう作るべきという「線」の話が知りたいのではないかと。

大谷:なるほど。なんでもできるからこそ、どう作るかが重要なんですね。

キンスキ松井:だから、今は使い方ではなく、使われるkintoneの設計や考え方を話していますが、とても手応えを感じています。ポータルを置くのも1つの方法ですが、ユーザーをどうポータルに導くのか? どうやって使ってもらうかの方が重要です。

一方で当初から変わってないのはコンセプト。開発ができないんだけど、自分で業務を変えていきたいと考えている人が、検索したら課題解決できるというサイトを目指しています。結果、「キンスキを見たら、うまくできたぜ!」となってほしいと思っています。

そもそもなんでそんなにkintoneが好きなのか?

大谷:そもそも松井さん、なんでそんなにkintone好きなんですか?

キンスキ松井:キンスキをやる前は、つながる世界が好きでした。プログラミングがわからなくても、自分にあわせて機能が変えられる、ほかのサービスとつなげて世界が拡げられるというエコシステムが好きな理由でした。ビジネス版のAppStoreになっていくんだろうなと思っていました。

でも、キンスキを初めて、ユーザーと交流が深まっていくと、kintoneで人生が変わるところが好きになりました。業務の考え方が変わり、変えていくことが好きになった人もいます。さらにkintoneを副業にしたり、パートナーに転職してしまった人も出てきました。

大谷:kintoneユーザーって、自分の周りで成功すると、ほかにも拡げたくなるというインフルエンス力を持つじゃないですか。同じ地域や業界の人たちがつながって、コミュニティが拡大していくじゃないですか。

キンスキ松井:あれってなんでしょうね。最近は医療関係がオンラインでつながりだしています。

キンスキも、僕の中ではオンライン活動です。意図したわけではないのですが、最近はユーザー同士のTwitterでつながって、コミュニティになり始めています。私も、その輪の中心になっているわけではないですが、「このかぶり物の方が本体である」とかいじられるようになってきました(笑)。

大谷:松井さんがいい意味でハブになってるんでしょうね。

キンスキ松井:そんな人たちがCybozu Daysに行ったら、みんなで黄色い人に集まろうぜとか話してくれていて、めちゃうれしいですよね。ラジオでインタビューすると、「kintoneユーザーはみんな人がいい」と口を揃えます。親切だし、共感できるし、温かい人が多いんです。

「『kintoneユーザーはみんな人がいい』と口を揃えます」(キンスキ松井)

だから、いまはユーザー同士をつなげるのに注力しています。リアルで会うよりは、オンラインでつながる感じです。最近では隣のkintoneユーザーと話してもらう「キンつな(#kintoneユーザーと繋がりたい)」というオンラインでつなげるスキームも用意しています。

大谷:先日体験しました! 強引ですが、有効だなと思いました。みんなどこかでつながりたいと思っているんですよね。

キンスキ松井:はい。やっぱりkintoneユーザーはつながることが必要です。kintoneはアイデア勝負なので、課題がわかっても、自分だけで考えるのは限界があります。だったら、外の人とアイデアを交換し、自らも発信して、楽しくなってもらうのが重要だと思います。

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