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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第624回

オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」を持って早朝の鞆の浦で猫に出会う

2019年08月25日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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気温が上昇しても、日陰を除けばそこには猫が!

 だがしかし、よく晴れた真夏の朝、猫が太陽の下に顔を出してくれるのは午前6時過ぎまでなのだった。ここからどんどん気温があがり蒸し暑くなり、このあと出会った猫はもうみんな日陰ラヴ。狭い路地だらけなので日陰には困らないのだ。公道なのか私道なのか地元民以外には判別不能な道だらけなのである。

 そんなとこで見つけた猫。目が合ったら、ととととと海の方へ小走りで去っていき、階段を上って振り返ったところで望遠で撮影。背景に海がちょろっと見えてるのがポイント。

海を背景に、不審そうに振り返った瞬間を狙ってみた。2019年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 午前7時すぎると田舎の港町の猫もこんなである。港の奥にある稲荷神社へ参拝に向かう途中、その手前に止められた車の下でつぶれてる猫を発見。真夏ならではのいさぎよいつぶれっぷりだ。

まさににゃつバテ猫。もう顎から尻尾の先まで地面にくっつけてつぶれてる。そのつぶれっぷりが日本の夏だ。2019年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 午前8時を過ぎると、もう散歩もつらいくらいの暑さで、普段は観光客が多いエリアも人はまばらで静かである。そんな観光エリアに近い狭い路地。ふと通り過ぎそうになって違和感に気づいた。道路の真ん中に、巨大なナマコみたいなのが転がってる!

道路にあやしい物体が。耳のとんがりがなかったら猫にはみえません。わざわざ道路の上でつぶれなくてもって感じ。2019年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 いやあ、もうめちゃあやしいわ。耳が見えてなければ単なる巨大ナマコだもの。それもちゃんと日陰にはいってるから気づきにくいし。うまいこと隠れたもんである……と思いきや、当人は隠れる気はなかったらしい。にゃつバテのへちゃれっぷりを堪能しようとちょっと近づいたらむくりと起きて、こっちにとことこと走ってくるではないか。

突然むくりと起き上がったサビネコ。2019年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

こっちに駆け寄ってくるのだった。ちょろっと見えてる舌がカワイイ。2019年8月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 陽射しにもめげず。舌をちょろっと出して走ってくるのでこちらもしゃがんで待ち構えていると、いきなりぶつかってきてスリスリしはじめるではないか。あまりに人なつこいので、カメラをiPhoneに持ちかえて至近距離撮影。こういうときスマホはめちゃ便利なのだった。

わたしのすぐ横にぴったりくっついてくるので右手で撫でつつ左手で撮影の図。右に見えている肌色がわたしの腕です。2019年8月 アップル iPhone XS

 このサビネコ、名前は「きなこ」という。猫の世話をしてるおばさまがちょうどやってきたので教えてもらったのだ。「元は野良猫だったんだけど、いつのまにか看板猫になっちゃったので、今はちゃんと世話をしてるんですよ」だそうな。人なつこいよい猫でありました。朝猫散歩の最後は植木鉢の脇で涼んでた猫。

 警戒してとことこと向こうへ逃げていき、でもわたしもそっちへ向かう最中だったので、はからずも追いかける形になっちゃって、最後はぴょこんと塀に飛び乗ってお庭に入っていったのでした(冒頭写真)。

 さて、夏休みの鞆の浦猫スペシャル、次回も続きます。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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