NECのPCはイノベーションの歴史
当時は、まだコンピューターを使っていない会社が多く、個人がコンピューターを持つことが想像できなかった時代である。
「PC-8001が登場したことで、日本でも個人がコンピューターを使う時代がやってきた。日本でパーソナルコンピューターという言葉が使われたのは、PC-8001が最初。それからNECは、次から次へと新たなものを作ってきた。世界初のカラー液晶搭載PCや世界初の水冷PC、すべてをワイヤレスで結んだPCなど。NECのPCは市場をリードし、イノベーションの歴史であった。日本の家庭のなかには、常にNECのパソコンがあった」とする。
そして、「新たなものに挑戦するDNAは、いまに受け継がれている。2019年には、世界初の電源をシャットダウンした状態から音声で起動できるPCや、カーボンとマグネシウムリチウムを採用した超軽量モデルを発売した。これは、PC-8001から続いているNECの技術者魂によって、作ったものである」とする一方、
「ここまで品質にこだわり続けてきたPCメーカーはない。前職のAMDに在籍していたときには、世界中のPCメーカーの工場を見てきたが、NECがなぜそこまで品質にこだわるのかがわからなかった。だが、品質にこだわり、妥協しないことの大切さを、いまでは強く実感している。だからこそ、NECPCとレノボ・ジャパンは、日本でトップシェアを維持し続けている」とする。
40年間に渡る挑戦の連続と、こだわり続けた品質は、これからも維持していくとする。
この連載の記事
-
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう - この連載の一覧へ