本連載は、マイクロソフトのSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。

Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回はWeb版Outlookのメールヘッダーに注目する。
クライアントのIPアドレスを示す「x-originating-ip」
あまり知られていないがWeb版Outlookを用いてメールを送信すると、クライアントに割り当てられたIPアドレスを含んだ「x-originating-ip」をメールヘッダーに付与する。一般的には"なりすましメール"問題を解決するために用いられるが、他方で利用者のプライバシー情報が流出してしまう問題も派生してしまう(IPアドレスをエンコードするX-EIPを用いた方が安全性は高まる)。
Microsoftは2013年にコンシューマー向けOutlook(当時はHotmail)でx-originating-ipを取り除くことを決定しているが、上図で示したようにWeb版Outlookは依然と残っている。あくまでもx-originating-ipは、システム管理者が特定のIPアドレスから組織に送信されたメールアドレスを検索するために用いるため、必ずしも問題になるわけではないものの、企業によってはIPアドレスを秘匿したい場合もあるだろう。本稿の読者がOffice 365管理者であれば、メールルールを作成することで、x-originating-ipを削除することが可能だ。
繰り返しになるが、セキュリティや利用者を監査する目的がある場合、本設定を行う必要はない。各企業の運用ポリシーに応じて選択していただきたい。

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