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MoguraVRのゲームとって出し 第116回

裏に隠された謎を解き明かせ

VRアドベンチャー「Virtual Virtual Reality」、VRの中でVRを体験

2019年08月09日 16時45分更新

文● MoguLive

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 今回は、VRの中で様々なVR世界を巡るVRアドベンチャーゲーム「Virtual Virtual Reality」を紹介しよう。本作は“VRヘッドセット”を装着するという動作が組み込まれており、VR内でさらにVRを体験するという二重構成、そして先の読めないストーリー展開が特徴だ。

 

 本作の物語は、ナビゲーター「チャズ」のガイドに従ってAIの顧客のために労働をこなしていくことになる。チャズから渡されるVRヘッドセットを装着し、顧客がいる移動先で働き、ヘッドセットを外してチャズがいる場所へ戻ってくるというのが一連の流れだ。

 

 移動先には、「バター」や「風車」など風変わりなAIの顧客が待っている。バターからは、トーストにバターを塗ってほしいと言われ、風車からは花の水やりを頼まれるなど、次々と変わる環境で単純作業をこなしていく。仕事後には「今回のプレイヤーの仕事がどうだったのか」コメントと星付きでレビューが行なわれる。

 ここまでの紹介だと、本作は単純な作業ゲーだという印象になってしまうが、「ある存在」との接触がきっかけで、ゲーム内容は大きく変化していくことになる

チャズとの会話中に急に暗転。目の前のホッチキスからは電話の呼び鈴が聞こえる……

ホッチキスを手に取るとヘッドセットへと変形し、VRの中には謎の存在「ユニオン」が待っていた

 プレイヤーは謎の存在「ユニオン」からこの世界の事情を聞かされ、とある任務を任されることに。今まで手にしていたコントローラーには、「吸引ツール」と「復元ツール」という新機能が与えられ、自由に切り替えて使用できる。

 

 吸引ツールはオブジェクトを吸い込む掃除機的な役割を果たし、復元ツールは元々そこにあったオブジェクトなどを復活させることができる。ユニオンによれば、チャズに知られてはいけないようなので、今後は秘密裏に行動する必要がある。

 新機能のツールを駆使し、全てのものを吸い込んだ先には、VR世界の裏側のような場所が広がっていた。これまでのポップな世界とはうってかって重々しい雰囲気で包まれている。ここでは多数のVRヘッドセットが空中で監視しており、見つかると捕まってしまうので注意が必要だ。

 

 この先には金庫室やLANケーブルが大量にある世界、巨大なクジラがいる世界など様々な世界で謎が待ち受けている。数々のVR世界を巡ってトライアンドエラーを繰り返しながら、奥底に隠された真相を明らかにしてほしい。

 本作は「VRの中のVRの中のVR」という不思議な感覚に迷い込める作品。移動に関しては、強制的な移動もないため、比較的VR酔いしやすい筆者でも最初から最後まで酔わずに楽しむことができた。また、本作は日本語にしっかりと対応。チャズをはじめとするキャラクターたちの皮肉を効かせたユニークな台詞にも注目してもらいたい。

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