松江の八雲塗を施したノートPC「LIFEBOOK」
今回のパソコン累計生産4000万台を記念して、島根富士通では1台だけの限定モデルを生産した。
13型モバイルノートパソコンとしては世界最軽量となる698gを達成した「LIFEBOOK WU2/C3」をベースに、島根県松江市で生産される漆器に施される八雲塗(やくもぬり)を天板に採用。日本の夕日百選にも登録されている、宍道湖を赤く染める夕日に浮かび上がる嫁ヶ島をデザインした。
八雲塗りの特徴は、下地の工程のあとに中塗り工程をせずに、色漆、青貝や金銀粉、乾漆などで文様を描き、その上から透漆をかけて仕上げるという手法を用いる。時間が経つにつれて、漆が透明になり、描かれた鮮やかな文様が浮き上がってくるのが特徴だ。
島根富士通では「完成直後であるため、いまはまだ色が沈んでいるが、年月を経るごとに上に塗重ねた木地呂漆が、光の作用で透明度を増していき、明るく鮮やかになっていく。これが、ほかの産地にはない八雲塗の特徴であり、今後5000万台、6000万台へ向かって年月を経るごとに、島根富士通も明るく鮮やかに成長して行きたいという願いが、八雲塗の特徴と当てはまり、今回の記念モデルに採用した」とする。
一般的に天板の塗装では、一度塗るごとに5g増加する。そのため、今回の八雲塗モデルの重量は、天板への塗装の分が重くなり、706.7gとなっている。
ちなみに、この製品は販売する予定はなく、島根富士通に展示されることになる。
島根富士通に展示された八雲塗の天板が、日を追うごとに明るく、鮮やかになっていくように、島根富士通自らも進化を遂げていくことになるだろう。
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