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2億7000万ドル調達 スポーツビジネスにイノベーションを起こす総合格闘技ONE Championship

2019年06月20日 11時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ガチ鈴木/ASCII編集部
取材協力&聞き手●上野直彦 写真● 曽根田元

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 総合格闘技に新しい流れを吹き込んでいるONE Championshipが、2019年3月31日、東京両国国技館で初の日本大会「ONE:A NEW ERA-新時代-」を開催した。ONEはシンガポールに本拠地をおく総合格闘技団体で、空手やムエタイなどのマーシャルアーツを生み出したアジアというルーツを大切にしている。2019年1月より日本でのONEの活動を率いる秦アンディ英之氏(ONEチャンピオンシップ日本代表取締役社長)に話を聞いた。聞き手は国内のスポーツビジネスの第一人者であり、サッカーマンガ「アオアシ」の取材・原案協力を務めるAGIスポーツマネジメント上野直彦氏。

ONEチャンピオンシップ日本代表取締役社長 秦アンディ英之氏

 ONE Championshipは、タイと日本の両親を持つチャトリ・シットヨートン(Chatri Sityodtong)氏が創始した総合格闘技団体。2011年に第1回大会が開催され、2015年よりONE Championshipに改称。世界136ヵ国17億人以上の視聴者を持つアジア最大のスポーツメディアだ。ESPN Star Sportsとの放映契約を結んでおり、Disney、ソニー、資生堂などがスポンサーに名を連ねる。ハイテクベンチャーの投資で知られるSequoia Capitalなどのベンチャーキャピタルの投資を受けており、総額2億7000万ドルにもなると言われている。

2019年3月に日本でイベントを初開催

上野直彦氏(以下、敬称略) 3月、初の日本大会が大成功となりました。おめでとうございます。大会を振り返っての感想をお聞かせください。

秦アンディ英之氏(以下、敬称略) 最大の目的は、ONEチャンピオンシップがアジアで培ってきたものを体感してもらう機会を設けることでした。6800人分の席を設けましたが、見事満席。無事に終わり来場者から好評をいただいたので、まずは実施できたということに関しては良かったと思っています。大会自体としてみても、参加選手が最高のレベルを達成できたことは素晴らしいことでした。

上野 大々的なプロモーションでしたが、ビジネスとしてはどうだったのでしょう?

 初回だったので、きちんと実施することが(収支よりも)最優先事項で、日本のマーケットに対してお披露目というか、ONEという大会をしっかり伝えることを前提として活動しました。次にある10月大会ではさらに改善していきます。

 そういう意味では起点でしかなく、大会が終わった瞬間から次が始まっています。日本では今年2大会、来年は4大会と倍々で増やしていき、最終的には5年後に毎月開催を目標にしています。そのための座組みを一つ一つ大切に作っているところです。

上野 ONEには創始者で会長兼CEOを務めるチャトリさんをはじめ、ハーバード・ビジネススクールでMBAを取得した人が3人いるそうですが、優秀な人材が集まっているんですね。

 そうですね。NBA出身者、ESPN出身者など、世界でスポーツの最高峰を経験した人がいます。私自身はニールセンスポーツで日本代表を務めていました。このように世界のスポーツを熟知している人が集まっており、アジアの団体というよりグローバルの団体としてみてもレベルが高い人材が集まっています。

 このように、スポーツを理解している人とビジネスを理解している人による化学反応がもたらされている点はONEの素晴らしい特徴です。学校や肩書きが全てではありませんが、世界最高峰の教育を受けた人が自然と集まっているのがONEです。

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