このページの本文へ

前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第93回

ギークの必需品?!あると便利なテスター

2019年06月11日 17時00分更新

文● 前田知洋

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

故障?それとも…

 気がつくと身の回りあふれている電化製品。ある日突然に「なんか調子が悪いなぁ…」や「壊れた!?」などのトラブルに出会うのは風物詩といっていいでしょう。ツワモノのユーザーなら、「ちょっとPCでもDIY(自作)しちゃおうかなぁ…」なんて方もいらっしゃるかもしれません。

 そんなときに強いミカタになるのがテスターです。「ちゃんと、電圧が来ているか?」「電流が足りているか?」「電源の故障?」などを確かめてトラブルの原因を切り分けたり、修理や買い替えのタイミングを判断することができます。

 過去の拙レポート「デジタル インナー ミラー自腹+DIYレポ/AUTO-VOX X1PROのスペック」で、車のヒューズボックスから電源をとるときにもテスターのお世話になりました。

テスターって何を測るの?

 一般的に、電気/電子業界における「テスター」とは、「電圧」「電流」「抵抗」などを測るための機器のこと。最近、スマホの充電器で目にする「大容量!10A(アンペア)」は電流のことを表し、「12V(ボルト)」は電圧を表しています。それらを実際に測定するのがテスターです。

 「抵抗」は回路に異常がないか、ヒューズが切れていないか、などを調べます。

 つまり、機器の内部回路のどこに不具合があるのか、それとも電源(コンセントやバッテリー)の問題なのか、トラブルの原因を切り分けるときに使うのがテスターです。

デジタル式とアナログ式、どっちが便利?

 テスターにはデジタル式とアナログ式があります。デジタル式はダイヤルのレンジ(測定範囲)が少なくて操作が楽チンなことがメリット。小型軽量化されているので持ち運びも便利です。

 アナログ式はテスター内部の電池が切れても、電圧と電流なら測定できることがメリット。サイズが大きく、重めなのが特徴です。

 単純に考えると、デジタル式のほうが便利なような気がするかもしれません。しかし、狭い場所などで使うときは、本体の小ささと軽さがデメリットに…。測定時は赤と黒の端子を両手で持つため、コードに引っ張られて本体がアチコチに移動してイライラするのが軽量デジタルテスターの難点です。そんなときは、重くて大きめのアナログ式のほうが使いやすいことも…。

コンセントの電圧をテスターで測定

 デジタル式のほうが詳細な数値が表示されますが、テスターには測定誤差があるので注意が必要です。たとえば筆者が所有している「デジタルマルチメーターPM-3」では、電圧(400V)の確度(許容誤差)が「±(2.3%rdg+5dgt)」。家庭用コンセントの100Vを測定した場合、「2.3V+0.5V=±2.8V」の誤差が測定器の許容範囲なので、97.2V~102.8Vの間の数値で表示されます。そうした理由から、あまり細かい表示値にこだわっても意味はありません。

コンセントの100Vをアナログテスターで測ったとき。上から3段目のメモリを読む

 筆者が使うようなライトユーザー向けのデジタル式テスターでは、最後の一桁を四捨五入し、「だいたいこれくらい」と考えるのが妥当とされています。

テスター使用時に絶対ダメな注意点

 便利なテスターですが、電気にかかわることなので注意点もあります。

●電流測定や抵抗測定のレンジで電圧を測ってしまう

電流測定のレンジではテスター内部の電気抵抗がほぼ0になるため、そのレンジで電圧を測る(端子をプラスとマイナスにつなぐ)とショートして、テスターに大電流がながれ、内部のヒューズが切れたり、テスターの破損、電源側のブレーカーが落ちたり、バッテリーの過熱などが発生します。抵抗のレンジでも同様です。測定レンジは正しく!

●測定範囲を守る

 アナログ式テスターなどのダイヤルに記載されている数値は、その数値以下を測定できるという表示です。「ACV10」と表示されていたら、交流の電圧を10V(ボルト)まで測れるという意味。その状態でコンセント(100V)などに差し込むとメーターや回路に負荷がかかり、故障や事故の原因に…。ちなみに直流は「DC」です。

●直流電圧や直流電流を測定するときは、赤をプラス、黒をマイナスに

 赤がプラス、黒がマイナスを意味するのは、電気の世界標準のルールです。

 直流電流を測るなら、テスターが回路と電源の間になるように。赤いコードを電源のプラスに、黒いコードを製品の回路側のプラスに当てるのが正しい使い方。

 交流ならコードの色は関係ありません。しかし、交流電流を測定するときのテスターと製品回路の接続は上記の位置関係で。

●端子の金属部分に触れたり、測定中に端子どうしをショートさせない

 感電や火花による事故を防ぐため、測定中はテスターの端子の金属部分に触れたり、端子同士を接触させないようにします。

 他にもテスターによって細かい注意点があるので、説明書をしっかりと読んで理解することが大切。電気工事などの知識がある人が周りにいたら、使い方をキッチリと教えてもらうのもいいでしょう。

これは検電ドライバー。赤丸の微細なランプを参考に電源とアースの区別に使う

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン