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「Azure VMware Solutions」発表でマイクロソフト・ナディラCEOも登壇、「DTW 2019」レポート

「Dell Technologies Cloud」マイケル・デル氏基調講演で発表

2019年05月02日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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デル+ヴイエムウェア+セキュアワークス、エンドトゥエンドの業務PC管理

 次に発表されたDell Technologies Unified Workspaceは、企業における大量のエッジデバイス(PC)ライフサイクル管理をシンプル化し、IT管理者の業務を省力化するソリューションだ。すでに提供を開始している。

 ここでもヴイエムウェアのテクノロジー(エンドポイント管理ツールの「VMware Workspace ONE」)が中核をなしているが、それだけではなく、デルによる工場出荷時のPCプリセットアップ(「ProDeploy」)やプロアクティブなサポート(「ProSupport Plus」)、セキュアワークスによるマネージドセキュリティと、Dell Technologiesファミリー各社のサービスをパッケージ化することで、エンドトゥエンドの管理者支援を行うことが大きな特徴となっている。

「Dell Technologies Unified Workspace」の構成要素。デル、セキュアワークス、ヴイエムウェアの製品/サービスをパッケージしている

 発表によると同ソリューションの採用により、ユーザーは新しいPCが手元に届いてから5分程度で業務を開始することができ、管理者はPCを新規に展開する場合の作業時間を1000台あたり最大で1週間節約できるという。

 まずデルPCの工場出荷時にはVMware Workspace ONEがプリインストールされ、管理者が構成した基本設定もプリセットアップされる。Workspace ONEの統合管理機能によって、個々のユーザーの役職に基づく業務アプリケーションの配信やクラウドポリシー設定、パッチ適用、稼働状態のモニタリングなどが自動化される。また後述するとおり、今回はWorkspace ONEとOffice 365環境との連携強化も含まれている。

Unified Workspaceでは統合管理ツールとして「VMware Workspace ONE」を採用している

 セキュリティでは今年1月に発表した「Dell SafeGuard and Response」に基づき、エンドポイントセキュリティツールとしてCrowdStrikeのエージェントがプリインストールされる。CrowdStrikeにより、AIベースの次世代マルウェア/脅威検出、EDRなどの機能を提供するほか、EDRで収集したイベントログデータと独自の脅威インテリジェンスに基づいて、セキュアワークスがマネージドセキュリティサービスを提供する。

 なおUnified Workspaceでは、BIOSを不正に書き換えるタイプのサイバー攻撃に対抗するために「Dell SafeBIOS」という新機能が提供される。これはPC外部に保存した標準BIOSと比較チェックすることでBIOSの改竄を防ぐもので、Workspace ONEやCrowsStrikeとも機能統合されているという。

 サポートでは、Dell ProSupport Plusによる24時間365日の問い合わせ対応、リモート診断、プロアクティブなサポート対応などが提供される。発表によれば、たとえばハードドライブの故障解決にかかる時間は最大11倍の短縮が期待できるという。

マイクロソフト・ナディラCEOが登壇、「Azure VMware Solutions」発表

 同日の基調講演では、事前には公表されていなかったゲストとしてマイクロソフトCEOのナディラ氏が登壇し、「Azure VMware Solutions」および、Office 365とWorkspace ONEとの統合強化を発表した。

 Azure VMware Solutionsは、Microsoft Azureデータセンター内のシングルテナント/ベアメタル環境に配置されたVCF環境を提供するクラウドサービスとなる。

 このサービスを利用することにより、オンプレミスや他のクラウドとの間で仮想マシン(vSphere)だけでなくネットワーク(NSX)、ストレージ(vSAN)も含むSDDC環境全体の一貫性を実現するため、顧客ワークロードをシームレスにAzure上にマイグレーションすることができる。また仮想化環境はvCenter経由で運用管理ができるため、管理者が新しい管理ツールを学習する負担も軽減される。

 SDDCのインフラとしてAzure環境を利用するメリットについて、マイクロソフトでは、高いスケーラビリティと可用性、セキュリティ、コンプライアンス、デプロイ期間の短縮などを挙げている。ちなみにAzure VMware Solutionsを使ってクラウド移行したWindows Server 2008環境は、Azure IaaSへの移行と同様に無償の「延長セキュリティ更新プログラム」対象となる。

 さらにマイクロソフトでは、VMware環境で稼働するアプリケーションを、Azureで提供されている「Azure Active Directory(Azure AD)」「Azure AI」「Azure IoT」といったサービス群とインテグレーションすることが容易であるため、アプリケーションのモダナイズを進められるとしている。

 現在はヴイエムウェアの認定パートナーであるクラウドシンプル、バーチャストリーム(Dell Technologiesファミリー企業)とマイクロソフトが個々に協業し、サービスを開発している。いずれもヴイエムウェアの技術サポートを受けながらマイクロソフト自身が契約当事者として提供するサービスであり、この点はヴイエムウェアが提供元の「VMware Cloud on AWS」とは異なる。またAzure VMware SolutionsのSLAはAzureサービスに準ずるとされている。

 Azure VMware Solution by CloudSimpleは、AzureのUS East/Westリージョンですでに提供を開始しており、同 by Virtustreamも2019年下半期からの提供開始とアナウンスされている。ただしこの2つのサービス間にある具体的な違いや、マイクロソフトが2種類(あるいはそれ以上)のサービスを提供する理由などは明らかではない。バーチャストリーム担当者は「詳細はサービス提供開始時にあらためて発表する」と述べた。

※追記:上述のポイントについて関係者に確認したところ、Azure VMware Solutionはマイクロソフトが提供するサービスを、Dell EMC、Virtustream、CloudSimpleの3社経由で販売するものとのこと。したがって各サービスが提供する機能やスペックは同一のものとなる(販売価格やサポートなどの部分は異なる可能性がある)。(2019年5月9日追記)。

「Azure VMware Solution by Virtustream」の概要。2019年下半期の提供開始予定

 なお今回の発表では、VMware NSXとAzure Networkingの統合や、特定のAzureサービスに対するVMware管理ツールからのコントロールなど、両社クラウド環境のより深いレベルでの連携/統合強化の取り組みも進めていることが明らかになっている。この取り組みでは、「特定のAzureサービスをオンプレミスVMware環境で提供する」ことも計画されており、「VMware環境とAzure環境をまたいで、よりシームレスな体験を顧客に提供することが目標である」と述べている。

 もうひとつの発表は、ワークスペース領域におけるヴイエムウェアとマイクロソフトの連携だ。顧客企業はWorkspace ONEを利用して、Office 365の管理性やセキュリティを向上させる。2019年内の提供開始を予定している。

 具体的にはまず、Workspace ONEのアップデートによってモバイルデバイス管理ツール「Microsoft Intune」とのAPI連携を可能にし、Azure ADが「条件付きアクセスポリシー(Condtional Access Policie)」機能で参照するデバイスのステータス/ヘルスデータをWorkspace ONEから提供可能にする。また、マイクロソフトがAzure上で提供するWindows 10+Office 365の仮想デスクトップ環境「Windows Virtual Desktop(WVD)」について、「VMware Horizon Cloud on Microsoft Azure」との連携も発表している。

* * *

 続く2日目の基調講演ではストレージやサーバー、ハイパーコンバージドインフラ関連の新製品/サービスや新機能が発表された。また、マイケル・デル氏やパット・ゲルシンガー氏が語ったデル テクノロジーのビジョンや製品/サービス戦略などについては、あらためて次回以降の記事でお伝えする。

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